研究課題/領域番号 |
20H04283
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
作村 諭一 奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 教授 (50324968)
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研究分担者 |
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
清水 淳市 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (80796889)
申 ウソク 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 副研究部門長 (10357246)
伊藤 敏雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90377888)
増田 佳丈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (20324460)
赤松 貴文 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60635316)
樋田 豊明 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (80250249)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 呼気揮発性有機化合物 / 疾患診断 / 機械学習 / 呼気内揮発性有機化合物 / データ前処理 / がん診断 / 呼気 / 疾病診断 |
研究開始時の研究の概要 |
血液成分は肺を介して呼気に反映されるため、呼気成分による高精度な診断が可能となれば、患者の初期スクリーニングとして有効である。これまで、本研究グループは4種の疾病患者と健常者の呼気を用い、90%以上の精度が得られることが分かった。本研究では、(1)肺がんを含めた複数種の疾病の解析による、肺がん特異性診断、(2)少数の呼気成分専用の簡易かつ高精度な検査器の開発、および、高精度な診断アルゴリズム開発、(3)各疾病診断に有効な呼気成分とがん細胞の分泌物との分子生物学的な関連性の検証、(4)患者特異的な治療方法の選択に対する呼気成分の有効性検証、を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、呼気内の揮発性有機化合物(VOC)を利用した疾患診断の性能評価とその生物学的な解釈を行った。扱った疾患は肺がん、歯周炎、NASH、肝がんであり、VOCに対して適切な前処理を適用することで、簡素な機械学習法で極めて高精度の診断が可能であることが分かった。また、肝臓内のシトクロムP450が代謝するVOCと腸内細菌が分泌するVOCの組み合わせが、これらの疾患の診断に有効であることが分かった。また、がん細胞内の同時観測できない分子濃度を同時観測化する技術開発に取り組み、擬似的な同時観測データへの変換手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼気は血液成分を反映するため血液検査と同等の生体情報を持っている可能性がある。しかし多くの研究で共通したバイオマーカーが明確ではなく、その生物学医学的な解釈もされていない。そのため、呼気による血中アルコール濃度の推定が実用化されているにも関わらず、呼気VOCによる疾患診断の実用化が進んでいない。本研究は、特定のVOCではなく、複数のVOCの特定の組み合わせが疾患診断の情報を持っていること、それらのVOCは特定の酵素と腸内細菌が共通ファクターとなっていることを明らかにし、臓器の機能レベルを表すバイオマーカーとして生物学医学的に解釈できることを示した。
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