研究課題/領域番号 |
20H04285
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石川 岳志 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80505909)
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研究分担者 |
石橋 大輔 福岡大学, 薬学部, 教授 (10432973)
水田 賢志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50717618)
鎌足 雄司 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 助教 (70342772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | プリオン病 / ドッキング計算 / 分子動力学計算 / ファーマコフォアモデル / 有機合成 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
クロイツフェルト・ヤコブ病に代表されるプリオン病は、神経細胞に発現している正常型プリオンタンパク質が、何らかの原因で異常型プリオンタンパク質へ構造変換することで発症する。いったん発症すると、急速な認知機能の低下を引き起こし、概ね1年半程度で死に至る。年間の発生率が100万人に1人という非常に希少な疾患であるため、製薬企業が治療薬開発に取り組む可能性は低く、大学といった非営利の研究機関が率先して取り組まなければならない創薬対象である。 そこで本研究では、独自のインシリコ技術を用いて、薬剤候補化合物の「ファーマコフォアモデル」を決定し、より効果の高いプリオン病治療薬開発をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では、抗プリオン効果を生み出すファーマコフォアモデルを、計算化学に基づいて決定することである。まず、正常型プリオンタンパク質(PrPC)との結合親和性および抗プリオン活性が実験的に測定されている96個の化合物を用いて、ドッキング計算を実行した。ホットスポットへの結合率を用いてランキングを作成する独自のドッキング計算法は、従来の方法に比べて実験結果の再現性が高いことが確認された。また、標的タンパク質から離れた様々な位置に化合物を配置し高温のMD計算を実行することで、化合物と標的の相互作用を解析するドッキング計算法を開発した。これらの成果はファーマコフォアモデルの構築の役立つと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロイツフェルト・ヤコブ病に代表されるプリオン病は、神経細胞に発現している正常型プリオンタンパク質が、異常型プリオンタンパク質へと構造変換することで発症する致死性の神経変性疾患である。しかし年間の発生率が100万人に1人という非常に希少な疾患であるため、製薬企業が治療薬開発に取り組む可能性は低く、大学といった非営利の研究機関が率先して取り組まなければならない創薬対象である。本研究で得られた計算手法は、抗プリオン効果を生み出すファーマコフォアモデルの構築に役立つと考えられ、プリオン病の低分子薬の開発に繋がると期待される。
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