研究課題/領域番号 |
20H04290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
北島 宗雄 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特任教授 (00344440)
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研究分担者 |
李 昇姫 筑波大学, 芸術系, 准教授 (80259051)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 適応的問題解決 / 行動記録 / 振り返り学習 / 記憶強化 |
研究開始時の研究の概要 |
多様性・不均質性がさらに進むことが確実な知識基盤社会において,個々の人間が社会に適応して満足のいく生活を送っていくためには適応的問題解決能力を備えていることが必要である.本研究では,適応的問題解決能力が日々の生活を営む中で涵養されると考え,研究代表者が構築した人間の行動選択・記憶の認知行動科学理論に基づいて,個人の日常生活行動記録の中から適応的問題解決が行われた局面を切り出し,それに関わる知識を効果的に定着させる振り返り学習を行うためのトータルな環境を構築する.日常生活行動記録・適応的問題解決行動切り出し・振り返り学習のサイクルを繰り返すことにより適応的問題解決能力が高まることが期待される.
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研究実績の概要 |
本研究では,適応的問題解決能力を備えていることが,これからさらに進展すると思われる知識基盤社会において豊かな生活を送る上で必須であると考え,それが日々の活動の中で自然に涵養される環境の構築を目指す.具体的には,人々の日々の問題解決行動を記録し,適応的問題解決が行われたタスクを抽出し,行動選択・記憶に関する認知行動科学理論に基づいてタスク遂行時の認知プロセスを視覚化し,それを振り返ることによって記憶定着させることを狙う.この「行動計測・問題解決行動抽出・認知プロセス視覚化による記憶強化」を,個々の生活動線にスムーズに統合して日々の実践として繰り返して行える環境を構築する. 今年度は,「学術的-問 4」として設定した課題「行動記録を活用した適応的問題解決スキルの向上は,どのように行うことができるのだろうか」に取り組んだ.適応的問題解決スキルの向上には,適応的問題解決を行なっているイベントを振返ることにより学習し,記憶の定着させることが有効である.そこで,日常生活のなかでこのようなイベントに遭遇したとき,事前にシステム 2(前) として何を考えていたのか,システム 2(後) として事後に何を考えたのか,イベントの直前・直後にシステム 1(前)・システム 1(後) がどのように行われたのか,の項目に沿って,学習者が自ら整理することをITによって支援する方法を検討した.そして,今年度は,この機能を備えた「適応的問題解決行動振り返り学習システム」のプロトタイプをウェブアプリとして製作した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,日常的な行動の中で,「なんらかの気づきがあり,そのイベントを振り返ることにより日常行動の質を高める」ということにより,適応的問題解決能力を涵養することを支援するシステムのプロトタイプの制作に注力した.前年度までの研究により,記録された散歩行動を振り返ることにより,散歩行動の質を向上させるための手がかりが得られることがわかった.また,散歩行動中に遭遇するイベントの詳細のなかに,手がかりが隠されていることがわかった.イベントには,自身が振り返るべきイベントとして特定できるもの,録画を見直すことにより特定できるものがある.前者については,録画映像に簡単な音声アノテーションを付与し,事後に詳細を追加することで振り返り学習ができる.後者については,定期的な行動記録画像(スナップショット)を見返すことにより,振り返るべきイベントを前後の文脈を含めて思い出し振り返り学習ができる.これらの機能を実現するウェブアプリを開発した.スマートフォンのカメラで日常行動の一人称視点の記録を行い,それをサーバ上に保存し,事後に振り返りアノテーションをつけることができる.日常行動の場面によって,振り返り学習に有効な映像の仕様は異なる.現在,日常的な運転行動の質の向上(例えば,煽り運転に巻き込まれないようにする,など)を適用場面として設定し,今後は,実運用可能なアプリにまで仕上げる.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更はない.また,研究を推進する上での問題点もない.
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