研究課題/領域番号 |
20H04304
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
南 尚嗣 北見工業大学, 工学部, 教授 (40241426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | メタンハイドレート / バイカル湖 / 環境変動 / メタンハイドレートの分解 / 温室効果ガスの放出 / 温室効果ガス / 化学・物理解析 / 国際研究者交流 / 化学/同位体分析 |
研究開始時の研究の概要 |
バイカル湖は非在来型の天然ガス資源として期待されるメタンハイドレート(MH)が存在する世界で唯一の淡水湖である。 申請者らは国際共同研究体制を構築し、バイカル湖の湖底表層堆積物の49カ所でMH存在域を見つけ、MHの生成環境と生成機構に関する研究を行ってきた。 本研究では、予備調査で発見したMH安定領域境界の環境にある世界で最も浅い水深の湖底表層MH存在域に着目し、「環境変動による湖底表層MHの分解と温室効果メタンの放出」の現状と機構を解き明かすことを目的とする。 湖底表層MH分解を支配する要因として「水位変化」と「水温変化」の環境変動の観点より、本申請研究による統合的理解を目指す。
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研究成果の概要 |
バイカル湖中央湖盆東岸沖の水域および比較水域において、調査研究を実施した。 湖底表層の形状を明らかにするための物理探査を実施し、詳細な湖底3次元マップの作成に成功した。楕円形状の湖底の高まりにおいて調査船の重力コアラーを用いて湖底表層堆積物コア採取を行った結果、メタンハイドレート(MH)存在域を発見した。 高まりとその周囲では、水温と水深から算出されるMH安定領域からわずかに外れた条件下にMH存在が確認された。この事実とバイカル湖の水位が変化している事実は、湖底表層MHが環境変動によって分解中の可能性を示唆しており、本研究において本格的な総合調査研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界で唯一MHの存在が確認されている淡水湖であるバイカル湖において、環境変動によるMH分解と温室効果ガスの放出に関する機構解明を目的に、日本-ロシア-ベルギーの国際共同研究を実施した。 水温と水深から算出されるMH安定領域からわずかに外れた条件下にMH存在が確認された事実は、MH生成後の環境変動を示唆する。湖面水位が現在より1 mほど高ければ計算上MHは安定であり、その当時に生成したMHが水位低下で分解しつつあるとの解釈が可能である。温暖化など地球規模の環境変動が指摘される中、天然MHの存在環境の変化と生成および分解機構の理解は学術的・社会的に重要である。
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