研究課題/領域番号 |
20H04311
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
尾坂 兼一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (30455266)
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研究分担者 |
佐藤 祐一 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 専門研究員 (30450878)
後藤 直成 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (40336722)
中村 高志 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60538057)
西田 継 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70293438)
細井 祥子 (田辺祥子) 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80423226)
木庭 啓介 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 窒素循環 / 温暖化 / 成層 / 同位体 / 微生物 / 溶存酸素 / 降雨 / 1 / 窒素化合物 / 湖底堆積物 / 琵琶湖 / 溶存酸素濃度 / 貧酸素化 / 湖沼 / 脱窒 / 全層循環 / 安定同位体比 / MIMS |
研究開始時の研究の概要 |
湖沼やダム湖では、微生物反応である脱窒により堆積物中で窒素が除去されていることが指摘されているが、その程度や、温暖化に伴う湖水循環過程の変化が脱窒や窒素循環過程に与える影響は十分に明らかになっていない。本課題では、温暖化により湖水循環過程が変化しつつある琵琶湖を対象に、湖底堆積物中の脱窒とそれに影響を与える要因を明らかにする。同時に、微生物群集構造解析、機能遺伝子発現量から湖底堆積物中の微生物動態を描くこと、琵琶湖の窒素収支を測定することにより、湖底堆積物中の脱窒量・プロセスとそれに対する湖水循環過程の変化による影響を解明する。
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研究成果の概要 |
湖底堆積物と湖水間の溶存窒素交換速度に与える湖底の溶存酸素濃度の影響を明らかにするカラム実験方法を世界で初めて開発した。それを用いて琵琶湖の湖底堆積物と湖水間の溶存窒素交換量を測定したところ、1年で琵琶湖水中の溶存全窒素量の10%程度が湖底堆積物から湖水へ供給され、その量は湖底の溶存酸素濃度が低下により増加することが明らかになった。しかし冬の全層循環が例年より弱く湖底の溶存酸素濃度の低かった2019年、2020年に琵琶湖水に存在した溶存窒素量は例年よりも少なかった。このことは湖底堆積物から湖水への溶存窒素供給量が増えた以上に、湖内での溶存窒素の消費が起こっていることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界各地の湖沼において、地球温暖化により表層水温が上昇することで湖水の鉛直循環過程が変化し、それによる湖水深層での溶存酸素濃度の低下や栄養塩の放出が問題となっている。本研究は湖水深層での溶存酸素濃度の低下が湖底堆積物と湖水間の窒素化合物交換速度に与える影響を明らかにするための手法を提示し、今後の地球温暖化に対する湖沼の応答に関する研究分野に貢献した。また近畿1400万人の飲料水を賄っている琵琶湖における窒素動態に関する重要な知見を得ることができた。
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