研究課題/領域番号 |
20H04319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
張 勁 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (20301822)
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研究分担者 |
郭 新宇 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10322273)
遠藤 貴洋 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (10422362)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 貧/低酸素水 / 化学トレーサー / 形成メカニズム / 定量評価 / 外部陸棚域 / 東シナ海 / 地球温暖化 / 貧酸素化 / 貧栄養化 / 縁辺海 / 数値生態系モデル / 成層強化 / 低栄養化 |
研究開始時の研究の概要 |
温暖化に伴う海面付近の水温上昇と河川水等の供給量増加により、海洋表層の上層と下層の間の躍層形成が強化・長期化し、海水の上下が入れ替わる鉛直混合の弱化が懸念される。本研究は、世界最大級の陸棚(~200m)を持つ東シナ海において現場観測を行い、夏季から秋季にかけて上層と下層・底層の海水交換が弱化し、「上層の貧栄養化・底層の貧酸素化」が進むメカニズム明らかにして、さらにそれが生態系に及ぼす影響を評価する。
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研究成果の概要 |
世界最大級の陸棚を持つ東シナ海(ECS)において、温暖化による外部陸棚域の海水構造変化や底層貧酸素化の進行メカニズムと生態系への影響把握を目的とした。その結果、毎年夏期に底層水で高濁度・低溶存酸素水塊(LOW)が観測された。複数化学トレーサーとCTDデータによる混合モデルで、ECS外縁部のLOWは黒潮亜表層水(6~8割)と内部・中央陸棚水(約1割)等の水塊で形成され、周辺海水と混合し、7割程度を保って日本海へ流入すると示された。物理観測からLOWの分布・輸送には乱流や水平移流の関与が確認され、生態系モデルでLOWの分布や季節変化が再現でき、減少率は水深30m(夏)と50m(秋)で最大であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、温暖化が日々進行する中で、世界有数の好漁場である東シナ海における低酸素水の発生頻度増加とその面積拡大に関する基礎的知見を提供するものである。特に、東シナ海内部陸棚・中央陸棚水との繋がりや低酸素水発生の要因・メカニズムへの理解深化により、沿岸海洋生態系ダイナミクスの詳細解明や海域保全にも貢献する。また、東シナ海における低酸素水塊の日本海ならびに黒潮域への輸送メカニズムが確認されたことで、低酸素海域の動向と下流域へ主要栄養塩・微量栄養塩への供給や、それらによる影響の理解が深まったと考えられる。
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