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被ばく評価とトレーサ応用を目指した日本周辺のPb-210大気降下量評価

研究課題

研究課題/領域番号 20H04321
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

山澤 弘実  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70345916)

研究分担者 森泉 純  名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90303677)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
キーワードラドン壊変核種 / 降下量分布 / 空間線量率 / 大気輸送モデル / 湿性沈着 / ラドン改編生成核種 / アジア域広域輸送 / 線量率 / 大気輸送数値モデル
研究開始時の研究の概要

食物経由の天然放射性核種Pb-210(Po-210)による内部被ばくの現状把握およびPb-210トレーサ利用と目的として、(1)現有の長距離Rn-222大気輸送3次元数値モデルに基づき、Pb-210までの輸送・沈着過程を組み込んだ壊変核種輸送沈着モデルを開発し水平3km程度の高分解能計算を可能とし、(2)Rn-222壊変核種降水中濃度及び線量率の観測を行い湿性沈着過程のモデル化および検証を経て、(3)検証済みモデルを用いたPb-210降下量の空間分布及び季節変化を評価する。

研究実績の概要

ラドン輸送壊変核種沈着モデルの開発では、計画通り、従来の洗浄係数を降水強度の関数として与える簡易な沈着過程の取り扱いで短半減期の5個の壊変核種の輸送過程を組み込みを完了した。このモデルを用いて、全球(100km格子)の計算から詳細領域(3km格子)の4段のネスティング計算の環境を整え、試験計算に着手した。従来、72km計算で湿性沈着を過小評価していた地域について、石川県では9km計算で大幅に再現性が改善され、計算上では地形との関係も明らかになりつつある。一方、青森県では沈着量計算値に顕著な改善が見られなかった。この要因は、対象地点の風上にある津軽半島及び渡島半島の地形再現が9km格子では不十分であるためとの仮説を立て、これを確かめるために青森県について3km格子を用いた試計算を開始した。
降水中Pb-214, Bi-214濃度測定装置について連続測定試験を行い、概ね測定が可能であるものの、計数率が低いため沈着過程解析に必要な十分な時間分解能を確保できない可能性が生じた。これに対応するために捕集面積の大きい採水部を設置する改良を開始した。
線量率データの候補地点選定については、石川県、青森県を対象に線量率データ解析を進め、石川県については9km格子モデルで比較的良好な計算結果が得られていることから、選定した線量率測定地点での計算値と線量率実測値の解析を進めた。モデル計算沈着量と線量率に予想どおりの線形関係が見られるものの、データのばらつきが大きいため、その要因解明を進めた。また、日本海側とは異なりか夏季に線量率上昇が見られる九州・四国地方について、線量率上昇メカニズムの解析を行い、対流性降水の寄与であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデル開発では、5核種の沈着過程組み込みを終了し3km格子計算に着手したことから、当初の計画よりなかり進んでいる。
降水中Pb-214, Bi-214濃度測定装置について連続測定が可能な段階隣、概ね計画通りであるが、精度確保のための追加の作業が生じた。また、新型コロナ感染症の影響で、日本海側での観測の準備が遅れている。
線量率解析では、当初予定の日本海側対象の解析に加えて、九州・四国対象の解析を進め、興味深い結果が得られたことから、計画以上の進展である。

今後の研究の推進方策

全体としては概ね順調な進展のため、大学外への移動を伴う現地調査及び観測を除き、大枠では当初計画に従った推進とする。
モデル開発については、3km計算の降水量再現性及び沈着量再現性のモデル検証を行い、必要に応じて湿性沈着モデルの改良を行う。また、9km計算では複数年の計算を行い、暫定版として複数年コンポジットの冬季沈着量分布図(データ)を作成し、沈着量分布と地形との関係解析及び沈着量が顕著な海域の範囲の同定を主要目標とする解析を進める。
新型コロナ感染症の状況により、他県での線量率データ候補地点の現地調査及び沈着量観測が行えない場合は、オンライン入手可能な情報が得られる地点および調査済み地点を対象とした解析を主とするとともに、観測について大学内で継続することとする。

報告書

(1件)
  • 2020 実績報告書

研究成果

(4件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 連続捕集方式による降水中放射性核種濃度モニタリングの検討2020

    • 著者名/発表者名
      森泉 純、金子慶保、山澤弘実
    • 学会等名
      日本原子力学会2020年春の年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 連続捕集方式による降水中短寿命ラドン壊変核種濃度観測2020

    • 著者名/発表者名
      森泉 純、金子慶保、山澤弘実
    • 学会等名
      日本保健物理学会第53回研究発表会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 数値モデルによる日本域Pb-210降下量分布再現の検討2020

    • 著者名/発表者名
      山澤弘実、赤松慎也、森泉 純
    • 学会等名
      日本原子力学会2020年秋の大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 冬季石川県周辺における降雨時線量率上昇分布の特徴及び222Rn壊変生成物沈着量との相関2020

    • 著者名/発表者名
      松本達也、山澤弘実、赤松慎也、森泉 純
    • 学会等名
      日本原子力学会2020年秋の大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-04-19  

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