研究課題/領域番号 |
20H04330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日出間 純 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (20250855)
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研究分担者 |
寺西 美佳 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (10333832)
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70370921)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 植物 / 太陽紫外線UVB / DNA修復 / 光回復酵素 / オートファジー / 葉緑体定位運動 / 紫外線防御機構 / UVB適応機構 / CPD光回復酵素 / 葉緑体輸送機構 / フォトトロピン / UVB適応戦略 / 葉緑体移行メカニズム / 葉緑体局在機構 / 細胞内局在 / 葉緑体移行シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
植物のUVB抵抗性に必須のCPD光回復酵素(PHR)は、イネでは核、ミトコンドリア、葉緑体へ移行して機能するのに対して、双子葉植物シロイヌナズナでは葉緑体に移行出来ない。本研究では、葉緑体でPHRが機能出来ない植物が、シロイヌナズナ以外にあるか否かを網羅的に探索し、PHRが葉緑体で機能しない植物は、UVBによる葉緑体障害に対して具体的にどのような戦略で太陽光の下で生きているのか?を、選択的オートファジー機能と葉緑体定位運動に着目し、UVB抵抗性との関連を解析する。そして、PHRの葉緑体局在の有無から見た新たな植物の太陽紫外線UVB防御機構を提唱する。
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研究成果の概要 |
イネは、太陽光紫外線UVBにより核、ミトコンドリア、葉緑体DNA上に誘発されるDNA損傷を光回復酵素(PHR)により修復することでUVB抵抗性を獲得し生存している。しかしイネ科以外の植物の多くはPHRが葉緑体では機能していないことを見出した。光回復酵素が葉緑体で機能しない植物は、どのようにUVBによる障害を防御し、生存しているのか?この問いに対して、我々は変異体を用いた解析を通して、PHRが葉緑体で機能しない植物は、障害を受けた葉緑体を積極的に除去するオートファジー機能に加え、UVBを特異的に感知し、葉緑体の局在を変化させる機能が新たなUVB適応機構となっていることを実験的に証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、陸上に初めて進出したコケ植物から、様々な光・紫外線環境で生育する植物を対象に解析を行った。その結果、基本植物は、UVBに対する防御機構として、核とミトコンドリアは、光回復酵素により、そして葉緑体はUVB誘導性葉緑体定位運動とオートファジー機能を発達させて、UVBに対する生育障害を防御していることを見出した。本研究成果は、地上に初めて進出し、様々な光・紫外線環境で生存してきた植物の、進化過程におけるUVB適応戦略機構の獲得、生物の有する潜在的適応能力の理解といった放射線(含紫外線)生物学、植物科学分野の根幹をなす新たな概念を提唱し、学術的・社会的意義は大きく評価された。
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