研究課題/領域番号 |
20H04342
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古武 弥一郎 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (20335649)
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研究分担者 |
佐能 正剛 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (00552267)
宮良 政嗣 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (60816346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 毒性評価指標 / 神経毒性 / 神経毒性評価 / 核呼吸因子-1 / 毒性評価系 |
研究開始時の研究の概要 |
神経毒性が疑われる物質の絞りこみには優れた神経毒性マーカーが必要であり、早期に変動する高感度神経毒性指標の発見が望まれている。われわれは、複数の化学物質が神経細胞死を惹起するより前に核呼吸因子-1 (NRF-1) を低下させることを明らかにした。このことから、NRF-1低下は神経細胞死が惹起される前段階に特有の「弱った状態」を示す優れた指標になることが期待される。そこで本研究では、化学物質の神経毒性評価指標としてNRF-1低下を利用することの有用性を検証し、NRF-1活性評価細胞など高感度神経毒性評価系の構築を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,有機スズによる神経細胞死の前段階で低下することをわれわれが見出した核呼吸因子-1 (NRF-1) が,高感度神経毒性マーカーとして利用できる可能性を探った.まず,NRF-1活性を簡便に評価できるレポーター細胞(N-Rep細胞)を作製した.次にこれを用いてさまざまな化学物質のNRF-1活性低下と細胞死の時間関係を調べたところ,メトキシクロル、PCP、ファモキサドンの3化合物の曝露において、細胞死が起こらない濃度からNRF-1低下が認められた。このように一部の物質では毒性が出る前段階からNRF-1低下が認められることから,NRF-1が高感度神経毒性マーカーとして有用であると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学物質の神経毒性試験は、OECDなどのガイドラインに準拠した試験法により行われるが、大量の実験動物と莫大な費用、時間、労力が必要であり、有害性が疑われるごく一部の化学物質しか行うことができない。そのため、動物実験を行う前に神経毒性が疑われる物質を絞りこむための神経毒性指標が必要となる。ところが、既存の評価指標については神経毒性が発現してはじめて変化するものがほとんどであるため、早期に変動する高感度神経毒性指標の発見が望まれている。本研究で有用であることを見出したNRF-1のような高感度神経毒性マーカーは,未知化学物質の有害性早期発見に大いに役立つことが期待される.
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