研究課題/領域番号 |
20H04350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
相田 真希 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), グループリーダー (90463091)
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研究分担者 |
長島 佳菜 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 副主任研究員 (90426289)
松本 和彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 准研究主任 (50359155)
宮川 拓真 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 副主任研究員 (30707568)
関谷 高志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 研究員 (00781460)
竹谷 文一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (50377785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 大気エアロゾル / 鉱物粒子 / 海洋一次生産 / 大気モデル / 海洋生態系モデル / TEP / 人為起源物質 / 栄養塩沈着 / 鉄供給源 / 全球化学輸送モデル / ブラックカーボン / 大気-海洋生態系モデル / 大気モデル・海洋生態系モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、東アジア域から排出される大気エアロゾルが、いつ・どこで・どれだけ海洋に沈着し、その後、どのように海水中で移流・拡散され、最終的に西部北太平洋域の一次生産に影響を与えうるのか、を定量的に評価することである。ここでは、大気エアロゾルの中でも化学的に安定な2種の粒子トレーサー:人為活動などによる「燃焼起源過程」より排出されるPM2.5エアロゾル中のBC粒子と、「陸域自然起源」に由来する鉱物粒子に着目する。これらを船舶による調査観測と数値モデルの双方における粒子トレーサーとして用い、大気エアロゾルと海洋内部における水平輸送や鉛直混合など複合的な各プロセスの一次生産への寄与率を推定する。
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研究成果の概要 |
本研究では主に海表面に沈着する物質と海洋の一次生産の関係に注目した調査解析を実施した。その結果、雨水中に硝酸塩およびアンモニウムといった高濃度の窒素栄養塩が含まれており、貧栄養な亜熱帯域の海表面の一次生産を促進させていたこと、またダストを介した鉄沈着量の解析から、北西部北太平洋亜寒帯海域の基礎生産全体に対し、最大30%程度を担っていることが見積もられた。降雨や黄砂など、栄養塩が枯渇する時季にイベント的に沈着する栄養塩物質は、海洋の一次生産力を上げていることが本研究から定量的に明らかになり、特にこれまでの海洋物質循環モデルの研究において、大気物質沈着の効果を過小評価している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、アジア塵による溶存鉄フラックス量を定量化し、北太平洋亜寒帯海域西部の一次生産に必要な鉄分の約3割を担っていることを明らかにしたことは、これまで大気沈着による生物生産を過小評価していた当該分野にとって大変重要な成果であると考える。最新の地球システムモデルによるシミュレーション実験結果では、北太平洋の一次生産に与える影響は温暖化よりも栄養塩排出の影響が支配的であることが推察されている一方で、大気エアロゾル付加については未だ定量化できていない要素であり(Planetary Boundary, Persson et al., 2022)、プロセスを詳細に理解し、評価する必要性がある。
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