研究課題/領域番号 |
20H04352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
高貝 慶隆 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70399773)
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研究分担者 |
若木 重行 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50548188)
鈴木 勝彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), センター長 (70251329)
松枝 誠 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 福島環境安全センター, 技術・技能職 (90865700)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 放射性ストロンチウム / ストロンチウム90 / 環境動態 / 福島第一原子力発電所事故 / 表面電離型質量分析 / 質量分析 / 土壌分析 / ストロンチウム90 / 放射性物質 / TIMS / 環境動態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
原子力災害により土壌へ沈着した放射性ストロンチウム(90Sr)は,鉛直(地下)方向にゆっくりと浸透している(地質によっては留まっている)。この90Srは,時折,環境で安定Srと異なる挙動を示し,土壌への吸着脱離の機構が不明瞭で,中長期な動態予測が難しい。その吸着脱離の機構を明らかにして地下水汚染等を予測するためには,微少量試料(ボーリングコアを細分割した試料や間隙水)に含まれる低濃度の90Srを測定しなければならない。表面電離型質量分析装置(TIMS)による90Srの1滴計測法を開発し,中長期的な環境動態予測に役立つ計測システムを開発するものである。
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研究成果の概要 |
土壌へ沈着した放射性ストロンチウム(Sr-90)の土壌への吸着脱離の機構は、不明瞭で,中長期な動態予測が難しい。その吸着脱離の機構を明らかにして地下水汚染等を予測するためには,微少量試料に含まれる低濃度のSr-90を測定しなければならない。本研究では,表面電離型質量分析装置(TIMS)に基づく新しいSr-90の1滴計測法を開発し,土壌試料中から微量なSr-90放射能を計測した。また、土壌を構成する土壌粒子を砂、細砂、シルト、泥のミクロスケールに分画し、それぞれのSr-90および天然Sr濃度を決定し、放射能分析法等とクロスチェックし、Sr-90分析に有効であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Sr-90分析は,実用的な迅速分析方法が見いだされていないため,その環境動態も単発的な報告が多く,将来予測が難しい核種である。Sr-90は地下水やそこからの人体への影響が深刻であることは事故当時より言われてきた。試料量が少ない試料に対する分析法は未踏領域であったが,本法は他法と比較して濃度・体積領域において測定できる領域に大きな違いがあり,他には到達できない特徴と優位性があることがわかった。この方法は,これまでできなかったSr-90の環境動態を計測できるだけでなく,他の核種にも応用できるために波及効果も大きい。
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