研究課題/領域番号 |
20H04356
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
|
研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
小林 淳 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00414368)
|
研究分担者 |
櫻井 健郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 室長 (90311323)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 生物濃縮 / PFAS / 医薬品 / 結合自由エネルギー / タンパク結合 / ドッキングシミュレーション / イオン性有機化学物質 / 肝代謝 / 生物濃縮係数 / 速度定数 / 代謝 / ニジマス / ペルフルオロアルキル酸 |
研究開始時の研究の概要 |
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)のようなイオン性化学物質の生物濃縮の予測精度は低く、予測精度の向上が求められている。予測精度の向上のためには、対象物質の生体内への取り込み、代謝、排泄に関するモデルパラメータの取得が重要であるが、情報が限られている。本研究では、環境残留性のあるイオン性化学物質を対象に暴露実験、タンパク結合実験、代謝実験等を行い、イオン性化学物質の生物濃縮特性を明らかにし、これらの結果をもとに生物濃縮係数の高精度予測手法を構築する。
|
研究成果の概要 |
本研究では有機フッ素化合物(PFAS)、医薬品のようなイオン性有機化合物を対象として、魚類への生物濃縮特性の解明、生物濃縮係数(BCF)の予測手法の開発を目的とした。ニジマスを対象に医薬品の生物濃縮実験を行い、BCF、体内半減期、呼吸器官経由の取り込み効率等を明らかにした。また、対象物質のアルブミンとのタンパク結合実験により結合定数を求め、さらにシミュレーションにより結合自由エネルギー(ΔG)を推定した。PFAS・医薬品のlog BCFをΔGのみで説明、予測することは出来なかったが、他の説明変数を加えて機械学習を適用することで、PFAS・医薬品のlog BCFを一体的に予測する手法を構築した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリ塩化ビフェニルのような疎水性の有機化合物はオクタノール/水分配係数の対数値(log Kow)を用いて生物濃縮係数(BCF)を予測する手法が確立されているが、特に界面活性剤であるPFASはlog Kowを得ることが困難なため、適切な予測手法の確立が課題であった。本研究ではPFAS、医薬品を対象とし、アルブミン等のタンパクとの結合自由エネルギーに着目して各種実験やシミュレーション、機械学習を用い、生物濃縮係数の予測手法を構築した。本手法を用いることで4700種以上あるPFASや医薬品といったイオン性有機化合物のBCFの予測が可能となり、魚類に対するPFASの暴露評価やリスク評価に貢献できる。
|