研究課題/領域番号 |
20H04357
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
清 和成 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80324177)
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研究分担者 |
Amarasiri Mohan 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50815537)
亀井 樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80792168)
古川 隼士 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (90632729)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 薬剤耐性菌 / 薬剤耐性遺伝子 / ソーストラッキング |
研究開始時の研究の概要 |
下水処理場へ流入する各種排水、下水処理場流入水、下水処理場放流水、放流先河川の最上流部および放流地点直下、最下流部の水からARBを分離し、一般細菌数との比較からARB存在割合を求めるとともに、ARB分離株の保持するARGsをPCR法によって定性検出する。次いで、PFGE法を用いてARB分離株を遺伝子型に基づいて分類し、発生源を解明するとともに、分離されたARBが自然由来か下水処理水由来であるか評価する。さらに、培養法によってARBを計数、デジタルPCR法によってARGsを定量し、排水ごとの下水処理場へのARBおよびARGsの流入寄与率を推定する。また、下水処理水放流後の河川水中挙動を解明する。
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研究成果の概要 |
薬剤耐性菌(ARB)や耐性遺伝子(ARGs)の発生源から下水処理場を経て水環境へ放出された後までの一連の定量的挙動解明に取り組むことを目標に掲げ、下水処理場に流入してくるARBやARGsの発生源の解明、下水処理場から流出するARBやARGsの放流先河川での挙動の解明に資する基盤データの蓄積を目的とした。 病院排水、下水処理場、河川水を対象としたARBおよびARGsの存在実態を調査し、下水処理場に流入するARBに病院排水が及ぼす影響や、河川水中のARBに下水処理場放流水が及ぼす影響は必ずしも大きくないことが示唆された。したがって、ARGsの水平伝播や調査対象を広げたさらなる解析が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、これまで明らかになっていなかった下水処理場へ流入してくるARBの発生源と下水処理場から放流されたARBの水環境中挙動を明らかにした病院排水は必ずしも下水処理場におけるARBの主要な発生源とはなっておらず、下水処理場から流出したARBが必ずしも水環境中で優占的に存在していないことを明らかにした点にあると考えている。また、社会的意義としては、都市水環境を対象としたARBやARGsの発生源対策ならびにARBやARGsによる公衆衛生上の問題解決に資する基礎的データとなる成果が得られたものと考えている。これを実際の問題解決に繋げるためには、さらなる調査の継続が必要である。
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