研究課題/領域番号 |
20H04358
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
櫻井 健郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 室長 (90311323)
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研究分担者 |
小林 淳 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00414368)
水川 薫子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50636868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 汚染質動態 / 実験 / モデリング / 残留性 / 動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
沿岸海域における底生食物連鎖は、水産食料資源の重要な基礎であると同時に食物網への化学物質の入口として重要である。パーフルオロアルキル酸化合物(PFAAs)は、環境残留性のイオン性化合物であり、環境中動態の情報が不足している。本研究では、底生食物網におけるPFAAsの生物蓄積動態を明らかにする研究の一環として、PFAASの海産魚類への消化管経由の移行動力学、またゴカイへの移行動力学の温度依存性を、実験により新たに明らかにするとともに、ベンチマーク法を適用し動力学パラメーターを基準化する。また環境中濃度より底生魚類中PFAAs濃度を予測する生物蓄積モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
パーフルオロアルキル酸(PFAAs)の底生食物連鎖における生物蓄積動態を研究した。ヒラメへの消化管経由の取り込み効率と体内半減期を曝露実験により明らかにした。この際、既往知見の多い参照化合物としてポリ塩化ビフェニルにも同時に曝露させ、動力学を参照化合物に対する相対値でも評価した。つぎに、底生無脊椎動物であるゴカイへの移行動力学の温度依存性を曝露実験により調べたが、17.5℃と22℃では明確な違いは見いだせなかった。これらに基づき、底生魚類中のPFAAsの濃度と環境中濃度との関連を記述する生物蓄積の数式モデルを構築し、食物と水からの寄与等を推定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水産食糧資源の基礎であると同時に食物網への化学物質の入口として重要である沿岸海域における底生食物連鎖において、化学物質の移行に関する実験的知見が限られている。パーフルオロアルキル酸(PFAAs)は世界中の環境中に残留するイオン性化合物で、魚介類の摂食が人間への主要な曝露経路と考えられ、水生生物への移行の理解が必要であるが知見が不足している。本研究は、多様な化学物質の排出から曝露に至る動態を予測する際の基礎となるものであり、環境媒体中濃度と生息環境の状況から、食物網中のさまざまな生物における化学物質濃度を動力学的に予測する研究へ展開できる。
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