研究課題/領域番号 |
20H04365
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
三苫 好治 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20301674)
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研究分担者 |
片山 裕美 八戸工業大学, 工学部, 講師 (30823661)
奥田 哲士 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (60343290)
水原 詞治 龍谷大学, 先端理工学部, 講師 (70638999)
澤田 剛 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (90240902)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 磁力選別 / 分級 / 放射性セシウム / 減容化 / マグネタイト / 除染 / 硫酸鉄(Ⅱ) / 焼成 / 機能性マグネタイト |
研究開始時の研究の概要 |
現在,仮置き場や中間貯蔵施設におけるセシウム汚染土壌の確実な分離/減容化技術の開発が急がれている。しかしながら,先行する湿式土壌分級においても除染土の多くを占める農地土壌の根毛等が原因で十分な除染効果が得にくい。今後,有機物を容易に除去できる加熱処理に期待が集まるものの,総廃棄物量の削減等で課題があり一層の技術革新が望まれる。そこで本研究では,比較的低温燃焼で土壌中セシウムの蒸発を抑えつつ有機物の減容化を図り,土壌分級助剤として有効な磁性物質を処理土表面に直接生成させ,土壌微粒子の乾式磁選分級により高濃度放射性セシウム土の無廃水式分離技術の開発を行う。
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研究成果の概要 |
放射性セシウムは土壌中の粘土内部に強く捕捉されていることから,汚染土壌中の粘土画分の分級技術などの開発が急がれている。このような状況下,我々は,二価鉄/アルカリ溶液を汚染土壌に加え,250℃程度で磁性体生成と熱減容を同時に行い,磁力選別によって概ね粒径75 μm未満土壌を分級する技術を開発した。磁性体材料としてFeSO4・7H2O,アルカリ薬剤としてNaOHを用いて黒ボク土に対して上述の技術を適用すると,最大で11.8%の土粒子を磁着分離可能であった。さらに未燃炭素をバインダーとした二次粒子の形成抑制条件を明らかにし,特異な土壌成分上で磁性物質が優先的に生成及び吸着することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行する湿式除染法においても,有機物含有土の除染は不得手で,加熱分離法に期待が集まるものの廃棄物量の削減などに課題が残る。そこで本研究では,機能性マグネタイトが湿式合成されることに注目し,鉄系イオン種を土壌粒子表面に付着させ,次いでアルカリ処理し,続いて加熱しマグネタイトを生成させた。これにより,熱減容プロセスにより有機物を減容し,同一反応場でマグネタイトを生成させ,連続的に磁選により分級するシステムとした。本手法は,加熱温度の最小化,前処理工程の簡略化,選択性向上の可能性(2:1型粘土鉱物を標的),総廃棄物量の削減により処理コストも同等に抑えられる見込みである。
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