研究課題/領域番号 |
20H04376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
太田 民久 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (60747591)
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研究分担者 |
佐藤 拓哉 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (30456743)
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
末吉 正尚 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 研究員 (70792927)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | ストロンチウム同位体比 / Isoscape / 状態空間モデル / サツキマス / 同位体地図 / 耳石 / 河川生態学 / 同位体生態学 / ウロコ / 安定同位体比 / 資源管理 / 行動生態学 / 同位体分析 / 移動履歴 / 移動履歴追跡 / 河川生態 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の移動を把握することは、対象種を保全し資源の持続性を高める上で基礎的なデータとなる。しかし、魚類の移動履歴を推定する手法の開発は発展途上であり、空間スケールを考慮した資源保護対策を打ち出す上で大きな障害となっている。ストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)は水域間で値が変化することが多く、水域の値が生物体組織に直接反映されるため、対象魚が生息していた水域を推定することができる。本研究は年輪状に成長し、対象魚を殺さずとも採集できるウロコの87Sr/86Srを測定し、魚の行動履歴推定する新たな手法を開発し応用する。
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研究成果の概要 |
生物の移動を把握することは、対象種を保全し資源の持続性を高める上で基礎データとなる。ストロンチウム同位体比は水域間で値が変化することが多く、水域の値が生物体組織に直接反映されるため、対象魚が生息していた水域を推定することができる。本研究は年輪状に成長し、対象魚を殺さずとも採集できるウロコのストロンチウム同位体比が魚の行動履歴推定に有用であるかを評価した。その結果、ボラのようにウロコの硬い魚類はウロコの同位体比から生活史を推定できる可能性が示唆された。また、魚の生活史を推定するうえで非常に有用であるにも関わらず、これまで日本国で作成されてこなかった河川のストロンチウム同位体地図の作成を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魚のウロコの同位体比から、対象魚の移動履歴を推定することが可能であることを示唆した今回の結果は、多くの魚種に応用が難しいといった課題もあったが一定の意義はあった。また、生物の移動やハビタット選択は、摂餌や繁殖および成長といった重要なイベントと深く関わっている。つまり、そのような生物の生活史(移動やハビタットの利用状況)を把握することは、対象種の効果的な保全対策を提案する上で必須である。ストロンチウム同位体比データを用いて淡水魚や両側回遊魚の生活史の推定する試みが国内外で広く実施されており、河川水の大規模なストロンチウム同位体比マップの作成は貴重な基礎データとなる。
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