研究課題/領域番号 |
20H04381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
亀田 佳代子 (小川佳代子) 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 副館長 (90344340)
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研究分担者 |
藤井 弘章 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00365511)
牧野 厚史 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10359268)
関野 樹 国際日本文化研究センター, 総合情報発信室, 教授 (70353448)
前迫 ゆり 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (90208546)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 琵琶湖 / 竹生島 / 鵜の山 / HuTime / 時間情報 / 生態系サービス / 地域固有の歴史 / 在来種との共存 / 時間情報システム / 地域固有性 / 歴史的経緯 / 関係の動的変動 / 温故知新 / 日本の在来種と人との共存 / カワウの動態 / 森林の衰退と回復 / 軋轢と利用 / 観光と保全 / 時間情報解析システム「HuTime」 / 知多半島 / カワウと森のせめぎ合い / カワウの恩恵とムラの知恵 / 野生生物との共存 |
研究開始時の研究の概要 |
近年個体数と分布の拡大により内水面漁業や森林に被害を及ぼしているカワウを対象とし、日本の在来生物と人との共存と軋轢の歴史的経緯を把握することで、現在生じている軋轢の軽減に向けた新たな切り口を提供する。具体的には、江戸時代末期から現在までの琵琶湖におけるカワウの生息状況、集団繁殖地である水辺の森林植生の変遷、地域住民によるカワウと森林の利用や管理について、時間情報解析システム「HuTime」を用いて解析する。また、カワウと人とが共存の歴史を持つ愛知県の「鵜の山」においても同様の解析を行い、琵琶湖と比較する。歴史的経緯を自然、時間、社会からたどることで、現在の軋轢の軽減方策を検討する。
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研究成果の概要 |
日本の在来生物であるカワウを対象とし、江戸時代末期から現在までの琵琶湖の竹生島におけるカワウの生息状況、集団繁殖地である森林植生の変遷、地域住民や寺社によるカワウと森林の利用や管理について、時間情報解析システム、HuTimeを用いて解析した。その結果、カワウと森と人との歴史的経緯について時代ごとに区切った可視化が可能となり、長期にわたるカワウ、森、人のダイナミックな動態が明らかとなった。この結果は、現在生じているカワウと人との軋轢の軽減に向けた研究に新たな切り口を提供するとともに、これからも変化し続けるであろう日本の在来種と人との未来のあり方を検討する上で、重要な視点を提示したといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、在来生物であるカワウを対象として、実際に過去に生じた事例をもとに、在来生物(カワウ)、生息環境(森林植生)、民俗技術(地域住民の利用と管理)、社会組織(コミュニティー)の視点から、人との軋轢が生じる状況とそれが収束していく過程を、Hutimeによって時間軸に沿って分野横断的に解析したものである。このことにより、学際的な視点から歴史的経緯を明らかにするための新たな手法の端緒を開いた。このような手法を使って現代ひいては未来の在来生物と人との関わりのあり方を検討する取り組みはこれまでなく、今後、国内外を問わず生じている在来生物と人との軋轢の軽減に向けた重要な切り口となると考えられる。
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