研究課題/領域番号 |
20H04400
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, SDGs推進研究所, 准教授 (60303880)
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研究分担者 |
伊谷 樹一 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (20232382)
黒崎 龍悟 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (90512236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 再生可能エネルギー / 小規模な水力発電 / タンザニア / アフリカ / 環境保全 / 適正技術 / 内発的発展 / 持続可能な発展 / 持続可能な開発 / マイクロ水力発電 / 持続可能な社会 |
研究開始時の研究の概要 |
途上国でのエネルギーへのアクセスは重要課題であるが、なかでもサハラ以南アフリカの電化率は著しく低く、電化は喫緊の問題とみなされている。本研究が主な対象とするタンザニアでは、2010年代に入ると系統電力の延伸と並行して、住民主導の小規模な水力発電の動きや太陽光発電の利用がみられるようになってきた。本研究では、系統電力とさまざまな再生可能エネルギー導入の試みが並存する3県4農村での地域間比較を通して、農民がどのように電源を選択し、どのように電気が農村に普及しているのかの実態をフィールド調査に基づき学際的・総合的に解明していくことを目的としている。
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研究成果の概要 |
近年のナショナル・グリッドの延伸や再生可能エネルギー導入の試みが並存するタンザニア南部3県の農村での地域間比較を通して、電気が農村に普及していく実態や農民の多様な電源選択のあり方を実証的に明らかにした。小さな水力発電は、水源保全やガバナンスが地域住民主導で行われるなどの利点があり、一極集中的なナショナル・グリッドの電気に依存することのリスク分散にもつながる。今後ナショナル・グリッドが急速に農村に浸透する中で、こうした利点を持つ小さな水力発電がグリッドに置き換わっていくのか、複数の電源を組み合わせることにより共存していくのか、電化が及ぼす農村社会への多面的な影響を継続して注視していく必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アフリカ農村における電化は重要課題であるが、系統電力のみならず再生可能エネルギーにも着目しながら農民が実際にどのような電源を選択し、どのように電気が農村に普及しているかについて地域間比較をすることにより実証的に明らかにした。エネルギーに関する研究は工学・技術・経済系が主流であるが、本研究は、アフリカ地域研究・実践に携わってきた研究者らが学際的に電気の普及とそれに伴う農村変容の過程を解明した点に学術的意義が見出せる。また、アフリカ各地で現在進行している電化の動きに対して示唆に富んだ事例を提供するという点において社会的意義を持つといえよう。
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