研究課題/領域番号 |
20H04423
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 洋子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (60283660)
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研究分担者 |
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10513517)
小林 知 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (20452287)
高橋 美和 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (40306478)
木曽 恵子 宮城学院女子大学, 付置研究所, 研究員 (80554401)
中村 沙絵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80751205)
飯國 有佳子 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (90462209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 高齢者 / 老いの文化 / 宗教実践 / ケア / 上座仏教圏 / 功徳 / ウェルビーイング / 高齢期 / 積徳行為 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢化が進展する上座仏教圏において宗教の制度や実践、教えがどのような対応を示し、そのことが宗教に何をもたらすのか、そして高齢期にある人々が宗教に何を求めるのか、その相互的動態を明らかにし、宗教、ケア、高齢者のウェルビーイングの研究に新しい視点をもたらす。そのために三つの問いを掲げる。①信者人口の高齢化が宗教組織や実践にどのような変化をもたらしているか。②宗教組織の側にはどのような高齢者ケアをめぐる動きがみられるか。③高齢者の日常や生において宗教はどのように位置づけられるのか。上座仏教諸国で現地調査経験の豊富な研究者が民族誌的調査を実施しその成果を比較検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まずカンボジアやミャンマーのようにこれまで高齢者ケアについて、またタイでは高齢者ケアに仏教が組織として関与を深めていることなどの実態が明らかになった。ケアのダイアモンドとは別次元で、高齢期や終末期における寺院の役割の重要性が照射された。また高齢者の宗教実践が、生涯を通じたジェンダー役割の故に男女で異なり、特に俗人女性の高齢期における教学や瞑想、積徳や読経などへの参与が顕著であることとともに、その内容が同じ上座仏教圏でも異なることが比較により検証された。加えて、宗教の枠を超えて功徳と自利・利他の観念が、ケア者の側でも高齢者自身の側でも重要な要素であると提起された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、同じ上座仏教社会でも俗人、特に俗人女性の関与する仏教の教学や実践の在り方が大きく異なることは今後更に詳細に比較検討すべきことである。また、普遍的なケアの概念と、宗教における功徳や自利・利他の概念がどの様に重なり、異なるのかという点も今回集めた事例から更に考察を深めることができるだろう。 本研究の過程で日タイを比較して考察する契機があり、特に終末期の高齢者に対する医療以外のケアや終末の過ごし方のイメージが両国で大きく異なること、日本でより豊かな高齢期への指針となりうること、またこれを追究するためには学術を越えた多分野の協働が必要であることが明らかとなった。
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