研究課題/領域番号 |
20H04447
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 追手門学院大学 (2021-2022) 奈良女子大学 (2020) |
研究代表者 |
三成 美保 追手門学院大学, 教授 (60202347)
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研究分担者 |
粟屋 利江 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (00201905)
村上 薫 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究グループ長代理 (00466062)
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
鈴木 則子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20335475)
小野 仁美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (20812324)
長 志珠絵 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (30271399)
山崎 明子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30571070)
桃木 至朗 大阪大学, 文学研究科, 招へい教授 (40182183)
河上 麻由子 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50647873)
野村 鮎子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (60288660)
久留島 典子 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (70143534)
井野瀬 久美惠 甲南大学, 文学部, 教授 (70203271)
姫岡 とし子 奈良女子大学, アジア・ジェンダー文化学研究センター, 協力研究員 (80206581)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
落合 恵美子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | ジェンダー / アジア / 歴史教育 / 世界史 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
「アジア・ジェンダー史」の構築に向けて、次の3つの課題を設定して共同研究を行う。①「アジア≪で≫問うジェンダー史」に関する史資料の収集・整理、②高校「歴史総合」のための「アジア≪を≫問うジェンダー史」教材の作成、③アジア諸国の研究者と協力して「アジア≪から≫問うジェンダー史」研究を発展させることである。研究成果は書籍として刊行するほか、比較ジェンダー史研究会HP(https://ch-gender.jp/wp/)を通じて広く国際社会に成果を公表する。とくに②については、高校教員との対話や共同作業を通じて、ジェンダー視点から歴史教育の発展をはかるためのテキスト・資料を作成・提供する。
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研究実績の概要 |
研究実績は、主に以下の2点である。 (1)科研費共同研究の成果として『<ひと>から問うジェンダーの世界史』全3巻の出版に向けて、編集・執筆を進めた(2023年6~8月刊行予定)。本書全3巻は、身体や性をもつ多様な「ひと」から出発し(第1巻)、「ひと」が取り結ぶさまざまな集団(家族・共同体・国家)を問い(第2巻)、地域・集団間の関わりの中で「ひと」とモノや学知がいかに動くかをジェンダー視点から論じた(第3巻)。第1巻『「ひと」とはだれか?―身体・セクシュアリティ・暴力』は全5章105項目、「身体と『ひと』」(1章)、「生殖と生命」(2章)、「セクシュアリティと性愛」(3章)、「身体管理と身体表現」(4章)、「性暴力と性売買」(5章)である。第2巻『「社会」はどう作られるか?―家族・制度・文化』は全4章89項目、「家・家族・親族」(1章)、「社会的ヒエラルキーとジェンダー」(2章)、「権力・政治体制とジェンダー」(3章)、「労働・教育・文化」(4章)である。第3巻『「世界」をどう問うか?―地域・紛争・科学』は全5章76項目である。「創られる『世界』と『地域』」(1章)、「植民地支配とグローバル化」(2章)、「戦争と暴力に抵抗する」(3章)、「環境・災害・疫病」(4章)、「科学とジェンダー」(5章)である。 (2)オンラインの国際シンポジウム「アジアジェンダー研究・ウェビナーシリーズ」の第1回と第2回を実施した。日英等の同時通訳を入れ、活発な議論ができるよう配慮した。第1回「家父長制についてー南アジアのジェンダー研究から」(2022年1月28日)、第2回「近代国家形成と家名ータイと日本の比較から」(2022年3月8日)を開催し、成果は本科研の専用WEBサイト(比較ジェンダー史研究会)に掲載している。招待講演は動画をアップし、コメントも掲載して、国際的発信を目指した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響によって対面では集まりにくかったため、オンライン会議とオンラインシンポジウムを活用した。 (1)『<ひと>から問うジェンダーの世界史』全3巻の編集に向けて、随時提出される全原稿をWEB上で編者9名が共有してチェック可能とした上で、随時編集会議を行った。各巻の原稿は担当編者(各3名=いずれも本科研費研究分担者)が責任をもって調整した。また、科研費共同研究メンバーは、共同研究を活かして、それぞれの分野でジェンダー史やジェンダー教育について論文や講演・報告を行っており、随時、成果発信を行うことができた(実績報告書参照)。 (2)国際シンポジウムは当初、海外から研究者を招聘し、国内で対面で開催予定であったが、コロナが収束しなかったために、オンラインシンポジウム「アジアジェンダー研究・ウェビナーシリーズ」に切り替えて実施した。このため、予定より計画実施が遅くなったが、研究課題そのものはほぼ計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度にあたるため、主に3つを課題とする。研究の大幅な変更はない。 (1)国際シンポジウム「アジアジェンダー研究・ウェビナーシリーズ」をさらに発展させること、(2)3巻本の編集・刊行、(3)比較ジェンダー史研究会WEBサイトのさらなる拡充である。(1)については、2回についてほぼ企画が定まっている。東アジアの父系制や女性の位置付けなどについて比較史的に検討する予定である。(2)の3巻本は、研究計画通り、第1巻で「ひと」の多様性についてLGBTQの在り方をも含めて取扱い、第2巻では家や家族の歴史的意義を再確認し、第3巻ではアジアという地域の構築性も含めたグローバルなジェンダー史を展望する。従来のもの以上にジェンダー視点を明確に打ち出した3巻本となるため、刊行後には執筆者や高校教員を交えて書評会を兼ねたシンポジウム(あるいは研究会)を企画し、新しい高校必修科目「歴史総合」との関係も含めた検討も行いたい。(3)については、3つを計画している。①ウェビナーシリーズをはじめとした動画の掲載増加、②既存記事の英語化、③3巻本とWEBサイトのリンクをはかることができるように新しい記事の拡充である。
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