研究課題
基盤研究(B)
最近我々が開発した、XFEL励起ハードX線レーザーにおいて、ブラッグ回折を利用することで共振器と同様の定在波を有するレーザー発振を研究対象とする。この新しいブラック回折を利用したハードX線領域の定在波型レーザーの制御方法を確立し、そこで起きる原子と共鳴光との強い結合から得られる現象を実験的に明らかにすること、および、その高いコヒーレンスを持つ光の応用を開拓する。
ハードX線領域においてはじめて分布帰還型レーザーを開発し、その原理実証実験、内部での動特性などがわかるように計算機コードの開発、温度安定性の評価などを行った。ハードX線の領域ではX線自由電子レーザーができて以来、レーザー光が得られているが、より高精度の光を生み、新しいコヒーレント光学へ展開するためには、高いコヒーレンスのレーザー光の開発が必要であった。しかし、一般に光学レーザーの領域で行われているような共振器にフィードバックを用いるような方法は、ハードX線の領域では、良好なミラーが存在しないために、実現できなかった。そのため、ここでは、結晶のBragg回折を利用する手法を開発した。
レーザーの分野では、常に短波長化、短パルス化、高出力化、高コヒーレンス化が行われてきており、それが達成されると、新しい光科学研究が生まれている。ハードX線の領域でも、この様な方向性が期待されているが、まだ基本的な光学素子が開発できていない、非常に短波長になるので、高精度の光学素子や光学系が必要になる、などの困難さがあり、未だ実現できてはいない。その中で、本研究で開発された手法は、光学レーザー領域でのレーザー励起レーザーが多くのことを成し遂げていることの類似としても非常に期待できるものになっている。
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Optica
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