研究課題/領域番号 |
20H04453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 真一 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10252800)
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研究分担者 |
渡邊 浩 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (50625316)
大坪 嘉之 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (70735589)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
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キーワード | スピン偏極電子エネルギー損失分光 / 強相関電子系 / スピン偏極電子源 / スピン偏極非弾性電子散乱 / スピントロニクス / スピン偏極散乱 / スピン流 / プラズモン |
研究開始時の研究の概要 |
次世代のスピントロニクス材料のスピン偏極電流特性の起源を解明や,重い電子系など強相関電子系の特徴的な物性の起源である磁気励起や電荷励起を直接観測する方法論であるスピン分解共鳴電子エネルギー損失分光法を開発する。具体的には,電子スピンが偏極した伝導機構を,スピン偏極電子源およびスピン分解電子分析器を組み合わせて観測する。この方法によって,伝導機構を,電子の軌道やスピンだけでなく波数も分解した電荷集団励起(プラズモン)として,観測できるようになる。
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研究成果の概要 |
物質の性質の起源であるプラズモン、マグノン、フォノンなどの集団励起や電荷励起を、スピンとイオン価を分解して観測する新しい分光法であるスピン分解共鳴電子エネルギー損失分光法(SR-rEELS)を開発した。この方法論は、希土類のM吸収端や遷移金属のL吸収端である0.5~1.5 keVで電子線のエネルギーを変化させることで、内殻吸収に合わせた入射電子エネルギーで電子非弾性散乱強度が増大すること、さらに、スピン分解電子非弾性散乱が観測可能なところに特徴がある。また、今後の発展として、角度分解および時間分解SR-rEELSへ展開できる可能性調査した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、スピン分解共鳴電子エネルギー損失分光法(SR-rEELS)という物質の素励起を観測する新しい方法論を提示したことが、学術的意義があると考えられる。この方法論は、シンクロトロンX線や中性子源の大型施設を用いることなく、小規模な実験室で大型施設と同様の観測が行える上に、X線や中性子線とは相補的な、スピン分解測定や共鳴測定が可能であるところに特徴がある。このことは、大型施設をダウンサイジングしただけではなく、新たな情報を引き出すことができることを示している。SR-rEELSで得られる情報は、スピン流の直接観測などの新しい検出法として展開されるものと考えられる。
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