研究課題/領域番号 |
20H04474
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤 智亮 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60274544)
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研究分担者 |
尾方 義人 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20326416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 災害 / レジリエンス / 避難所 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、発災後の復興に着目したものであり、防災に着目したものではない。本研究の目的は、被災者と自治体職員の災害ストレスを軽減させ、二次災害(災害うつや災害関連死)を防ぐとともに復興を加速させることである。そのために、被災者と自治体職員を支援するための、ICTを活用した情報プラットフォームを構築する。このプラットフォームで管理する情報は、避難所の人(被災者)・物(救援物資など)と、避難所に限定しない災害関連情報(復電の見通しなど)とする。具体的には、例えば、避難所のニーズを自動判断し物資を配送できるようにする。また、停電の復旧情報などの必要な情報を一元管理して容易に検索できるようにする。
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研究実績の概要 |
令和3年度までに構築した「人」「物」「必要な情報」の各プラットフォームを、実際に避難所運営経験者や避難者を想定したユーザーに使用してもらい、問題点を洗い出し課題を抽出した。さらに抽出した課題を整理して改善策を定め、プラットフォームの再検討をおこなった。「人」「物」「必要な情報」のそれぞれの実績概要は以下の通りである。 ①「人」に関する情報プラットフォームの再検討: 避難所運営経験者3人および避難者を想定したユーザー8人に、構築したプラットフォームで避難所入所に必要な氏名や住所等を入力または記入してもらった。その結果、何を書いて良いか分かりにくいものがあることや、書いてほしい内容であるが書くのを躊躇させる項目があること等が明らかとなった。そこで、これらの抽出された問題点について改善策を検討しプラットフォームを改善した。 ②「物」に関する情報プラットフォームの再検討: ①と同様に、避難所運営経験者らに、構築したプラットフォームを実際に使用してもらった。その結果、タブレット端末を用いた物資要請は大変有用で、ファミリーレストランにおいてタブレットで注文するような感覚で容易に扱えるといった好意的な意見が多数よせられた。一方で、複数人が物資要請を担当する場合は、誰が物資を要請したのかが分からないことが不安であるといった意見があった。今後、これらの抽出された問題点を改善し、プラットフォームを完成させる。 ③被災者・自治体職員・支援者にとって「必要な情報」プラットフォームの再検討: 前年度までにおこなった調査結果を基に、必要な情報を重要度/フェーズ(発災直後・避難所対策が中心の時期など)/対象者ごとに整理した。③については避難者を想定したユーザーに対する調査を実施するに至らず、①、②に対してやや進捗が遅れているため、最終年度にエフォートを増やして遅れを取り戻すこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた規模の実証実験を実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である令和5年度は、これまでに抽出した「人」「物」「必要な情報」に関する各プラットフォームの課題を整理して改善策を定め、プラットフォームの再構築をおこなう。推進方策の詳細は以下の通りである。 ①「人」に関する情報プラットフォームの再構築: 令和4年度までに、避難所にいる「人」(被災者)に関する必要情報を定めて避難所にいる人の情報をリアルタイムに把握するためのプラットフォームを構築し、それを避難所運営経験者らに使用してもらった。その結果、必要情報の不足などの問題点が明らかになった。令和5年度には問題点のすべてを改善し、「人」の人数をリアルタイムに把握するプラットフォームを完成させる。さらに可能なら、完成したプラットフォームを実際に使ってもらい社会実装していく。 ②「物」に関する情報プラットフォームの再構築: 令和4年度までに、避難所で必要な「物」を迅速に要請するためのプラットフォームを構築し、それを避難所運営経験者らに使用してもらった。その結果、特に大きな問題はなく避難所において大変有用であるとの評価を得た。令和5年度はさらに多数のユーザーの意見を聞きながらブラッシュアップしてプラットフォームを完成させる。 ③被災者・自治体職員・支援者にとって「必要な情報」プラットフォームの構築: 「人」「物」「必要な情報」のうちもっとも進捗が遅れている。令和5年度は、これまでにおこなってきた「必要な情報」の調査を引き続きおこない、必要なあらゆる情報を調査して列挙し、重要度/フェーズ(発災直後・避難所対策が中心の時期など)/対象者ごとに整理する。ついで、必要情報を誰でも容易に、正確に、迅速に得られるプラットフォームを構築する。さらにこれを高齢者を含め幅広い層の方々に使用してもらい、問題点を洗い出し課題を抽出する。最終的には、抽出された課題を改善してプラットフォームを完成させる。
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