研究課題/領域番号 |
20H04478
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
辻 慶太 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (30333545)
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研究分担者 |
水沼 友宏 桃山学院大学, 経営学部, 講師 (20822688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 図書推薦 / 購入 / 除籍 / 公共図書館 / ラストコピー / 公立図書館 / 国立国会図書館 / 推薦システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,日本の公共図書館における図書の所蔵・貸出状況を明らかにし,新たに購入・除籍すべき/すべきでない図書を各館に推薦するシステムの開発を行う。本システムにより,購入・除籍に関する図書館員の意志決定のコストが削減でき,また図書館利用の増加や稀少図書の保存を図ることができる。データとしては日本の全公共図書館約3,300館の約180万タイトル,約3億冊の所蔵・貸出データを用いる。このデータをカーリルから2ヶ月ごとに購入し,所蔵図書の差分を検出して,新たに現れたものは購入された図書,消えたものは除籍された図書とみなす。こうしたシステムは,その有用性にも拘わらず存在しておらず,世界初の試みとなる。
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研究成果の概要 |
日本の公共図書館に,購入・除籍すべき/すべきでない図書を推薦するシステムを開発すべく主に2つの研究を行った。即ち,(1)国立国会図書館が所蔵せず,公共図書館が所蔵している図書は除籍すべきでない図書とみなし,そうした図書が少なからず存在することを示した。(2)公共図書館は貧困家庭の中高生等に学習用参考書・問題集を提供すべきという問題意識から,それらの所蔵調査と子どもに対するアンケート調査を行い,ニーズを調べた。(1)(2)の結果はそれぞれ「日本図書館情報学会誌」,“Jurnal Ilmu Informasi, Perpustakaan, dan Kearsipan”に雑誌論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「研究成果の概要」で述べた(1)(2)それぞれについて述べる。まず(1)では,国立国会図書館が所蔵せず公共図書館が所蔵している図書が少なからず存在することを示した。従来の常識ではそのような図書は存在しないと思われていたのではないか。本研究には常識を覆す意義があったと考えられる。次に(2)では公共図書館は学習用参考書・問題集をほとんど所蔵していないことが示された。これは予想された結果であったが,貧困家庭の中高生・浪人生は本研究のアンケートに対してそうした図書の所蔵(特に英語用)を求めていることが示された。今後益々貧困化が進む日本の中で,公共図書館が取るべき方向の1つを示す意義があったと思われる。
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