研究課題/領域番号 |
20H04488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
内海 彰 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30251664)
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研究分担者 |
猪原 敬介 北里大学, 一般教育部, 講師 (10733967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 抽象概念 / 記号接地 / 単語ベクトル / 言語 / ニューラル言語処理 / 間接的接地 / 身体性 / 計算モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,抽象語の意味の獲得や抽象概念の形成において,言語が果たす役割やその認知機構を解明することを目的とする.そのために,言語経験の計算モデルである単語ベクトルモデルを道具として,抽象概念形成における言語経験と身体経験の相互作用の認知機構としての「間接的接地」のモデル化を行い,その妥当性を検証する.さらに英語と日本語で得られた知見を比較して,その一般性と個別性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
2022年度は、以下の研究を実施した。 (1) 単語ベクトル(言語経験)と画像ベクトル(身体経験)を用いた抽象概念の間接的接地の計算モデルの有効性を体系的に示し、その結果からどのような種類の抽象概念に間接的接地が有効なのかを明らかにした。この結果は、Frontiers in Psychology に学術論文として掲載された。 (2) 抽象概念の間接的接地の妥当性をさらに検証するために、前年度に引き続いてヒトを対象とした心理実験を行った。心理実験では、直接的接地と間接的接地に対応する画像をプライム刺激、抽象概念を表す抽象語をターゲット刺激としたプライミング実験を行い、抽象度の高いターゲットでは有意なプライミング効果が得られるが、抽象概念の中でも比較的抽象度の低いターゲットでは有意なプライミング効果は得られなかった。 (3) 上記の結果を反映するように、(1)の間接的接地の計算モデルの改良を検討した。 (4) 日本語に対する計算モデルによる実験を行うためのデータセットとして、前年度に引き続いてクラウドソーシングを用いて日本語単語属性データの収集を行った。その結果、538単語(名詞435語、動詞64語、形容詞39語)x40属性から成るデータセットを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抽象概念の間接的接地という考え方そのものの有効性を計算モデルに示すことはできたが、間接的接地に関して心理実験で得られた結果を計算モデルに反映させる部分にやや苦心している。また、日本語単語属性のデータセットの収集が遅れたため、日本語による間接的接地モデルの検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、以下の課題を推進していきたい。 (1) 日本語における抽象概念の間接的接地の有効性の検証や、日本語に固有のメカニズムの検討 (2) Transformer ネットワークに基づく事前学習済モデルや大規模言語モデルに内在する概念知識の解明や、それに基づく間接的接地モデルの再検討
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