研究課題/領域番号 |
20H04494
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
上野 泰治 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20748967)
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研究分担者 |
田中 章浩 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80396530)
石橋 遼 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 研究員 (90750266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 視聴覚統合 / 意味記憶 / マガーク効果 / fMRI / 経頭蓋磁気刺激法 / 経頭蓋直流電気刺激法 / 経頭蓋直流電気刺激 / 計算機モデル / 視聴覚相互作用 / TMS / 前部側頭葉 / ニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本申請計画は、視聴覚統合と意味記憶という、認知科学における2つの大きな研究分野を統合的に説明する単一の横断的なneuro-computationalモデルを提唱することを目的とする。 そのため、fMRI、神経心理学、脳刺激法、コンピューターシミュレーションの4つのアプローチを統合的に用いることにより、方法論的にも領域横断的な統合的理論を提唱していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、視聴覚統合と意味記憶を支える脳部位の共通性を検討することにより、両領域を統合する認知神経モデルを提唱することを目的とした。fMRI・経頭蓋磁気刺激法・経頭蓋直流電気刺激法と、様々な手法を用いた結果、これまで視聴覚統合の分野でコンセンサスとされてきた左脳後部上側頭溝の役割を見直す必要性を明らかにすることが出来た。また、視聴覚統合を支える脳部位として示唆されてきた運動野について、初めて表象類似度サーチライト分析を用いて支持する証拠を出すことが出来た。これは、音声知覚の運動理論を支持するのみならず、同理論に関するこれまでの批判に耐える結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでコンセンサスとされてきた「視聴覚統合における左脳後部上側頭溝の役割」を支持しない結果を一貫して提示したのみならず、先行研究のデータの再分析に基づいて、これまでの知見が間違っている可能性を示したことに学術的な意義がある。また、差分法fMRI分析の結果を根拠とした「音声知覚の運動理論」についてはこれまで批判があったが、その批判に当てはまらない結果を新しく表象類似性サーチライト分析で示したところに本研究の学術的意義がある。音声知覚の運動理論は、母語・第二言語学習にあたって、聴き取り訓練のために発話訓練をすることが効果的である、などの実践的意義を持つことが期待される。
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