研究課題/領域番号 |
20H04498
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榛葉 健太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80792655)
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研究分担者 |
高山 祐三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60608438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 軸索 / 電気計測 / ミエリン鞘 / 末梢神経 / 疼痛 / マイクロ加工 / 感覚神経細胞 / 脱髄 / 微小電極アレイ |
研究開始時の研究の概要 |
痛みは体内の異常を知らせる重要な信号であるが,強い痛みは生活の質を低下させる.より効果的な治療法の開発に向け,痛み発生メカニズムの解明が望まれている.しかし,技術的な課題から,痛みの情報が細胞内の複数の部位が関与する複雑な反応であるのに対して,培養系における研究では細胞体からのみ活動計測が可能であった.本研究では,マイクロ加工技術を駆使することで,疼痛が起こる様々な条件下のヒト感覚神経細胞におけるサブ細胞レベルでの興奮発生部位・機序の解明を目指す.さらに,発生した興奮が細胞内で統合され中枢へと伝達される様式を明らかにし,新規疼痛モデルの構築により新たな治療法開発への貢献を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,細胞内のどこで痛みが生じるかの理解を目的として,培養した感覚神経細胞に対する高精度な電気計測手法の開発を行った.結果,これまで計測が困難であった,跳躍伝導と呼ばれる現象の空間的な伝搬パターンの電気計測に世界で初めて成功した.また,痛みの信号が発生する原因となる,細胞が刺激に対してより過敏に応答する現象である感作状態を計測チップ上で再現できた.以上の成果は,痛みがどこで発生するかの理解に向けた基盤技術を開発できたという点で重要である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で計測された跳躍伝導の空間的な伝搬パターンを計測することで,染色や組織の観察によって脱髄が観察されるより早く,ミエリン鞘が変性する現象である脱髄による機能低下を発見できる可能性がある.よって,脱髄疾患を早期に診断したり,進行機序を理解したりするうえで重要な技術となり得る.また,今回計測できた感作状態をより詳細に調べることで,通常は痛いと感じないレベルの信号で痛みが発生する現象の理解につながる.これらの技術は,新たな治療法の開発や,薬剤を作る際のアッセイシステムとして有効である.
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