研究課題/領域番号 |
20H04505
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
栗崎 晃 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60346616)
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研究分担者 |
高田 仁実 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80641068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 胃 / 幹細胞 / 分化 / シグナル / 発生 / 遺伝子 / 培養 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マウスをモデル動物として用いてin vitroで増殖した胃上皮前駆細胞が、実際にin vivoで成熟機能細胞へと分化することを検証する。さらに上皮組織を取り除いた消化管にこの胃前駆細胞を移植して、生体内で内分泌細胞や壁細胞を有する機能的な胃組織を再建できることを実証する。以上の研究で胃がん患者のQOLを向上させる、胃の組織再建の基盤技術を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウスの胃をモデルに用いて、機能性の胃上皮組織の再生のための基盤技術の開発を行った。成体マウスの胃から上皮細胞の集合体である胃腺を採取し、無血清培地で三次元培養することで、主に増殖性の幹細胞集団を調製する方法を開発した。また、成体マウス胃組織のシングルセル解析データを駆使することで、特に胃上皮細胞の分化制御シグナルを探索した結果、EGFシグナルが幹細胞から粘液分泌細胞への分化を促進することを見出した。一方、NK-kBシグナルを活性化すると分化シグナルが抑制されて幹細胞状態が維持されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、成体の胃組織から幹細胞を取り出して、幹細胞増殖シグナルを同定した。また、幹細胞から胃粘膜を形成する表層粘液細胞への分化シグナルも同定した。本成果は胃の組織再生のための基盤となる細胞調製法の構築に有用と考えられる。組織の幹細胞から様々な細胞種が作られる詳細なしくみは十分明らかになっていないが、本研究ではQualtz-seq2という高精度なシングルセル解析を駆使して、胃組織の遺伝子発現を詳細に解析することで、1細胞レベルでシグナル経路の解明に成功した。即ち、非常に高い精度のシングルセル解析で、成体組織の細胞シグナル経路の解明が可能であることを実証できた点でも学術的意義は大きい。
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