研究課題/領域番号 |
20H04510
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | Muse細胞 / 多能性幹細胞 / 貪食 / 単一細胞遺伝子発現解析 / マクロファージ / 分化 / eat-me signal / 貧食 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで幹細胞分化はモルフォーゲンによって引き起こされると考えられてきたが、申請者らは全く新しい分化機構を生体内多能性幹細胞Muse細胞で見いだした。受傷・細胞死に陥った分化細胞の破片を貪食し、取込んだ分化細胞の転写因子を再利用することで迅速でエラーの少ない「貪食した相手と同一の細胞種に分化する」という新しい概念である。貪食は単なる清掃作業と思われてきたが、それ以上の生物学的意義があると示唆される。 本研究ではMuse細胞における「貪食による分化」の分子機構を詳細に検討し、遺伝子導入やサイトカイン投与を組合せた煩雑でコストと時間のかかる現行の多能性幹細胞誘導法に簡便で効率的な誘導方法を探索する。
|
研究成果の概要 |
体内に内在する多能性のMuse細胞は傷害組織で死細胞を貪食し、分化を通じて細胞置換することで組織修復することが分かった。死細胞に含まれている分化に必要な転写因子やmRNAなどが貪食によって素早くMuse細胞に取り込まれて再利用され、遺伝子発現を活性化し、エラー無く被貪食細胞と同種の細胞に分化する。多能性であるため幅広い細胞種に分化可能である。iPS細胞では貪食能がほとんど無く、このような分化様式は持たないことが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで細胞分化は遺伝子導入やサイトカイン刺激など、外からの因子が加わることで制御されると長らく考えられてきた。また貪食というのは、マクロファージに代表されるように異物や死細胞などの残骸を掃除するための免疫的な機能として理解されてきた。本実験によって貪食は単にゴミ掃除ではなく、分化に必要な因子を素早く無駄なく獲得し、同じ細胞種に迅速分化するという全く新しい生物学的機能を発見することに繋がった。
|