研究課題/領域番号 |
20H04514
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山口 昌樹 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (50272638)
|
研究分担者 |
小泉 知展 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20273097)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
|
キーワード | バイオセンサ / がん / 超短パルスレーザー / 信号増幅 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,超短パルスレーザーでガラスファイバー束表面に機能的テクスチャを付与するナノ/マイクロ加工技術を用い,検出部を3次元空間化して反応面積を増大しつつ親水化することで,1 pg/mL の超高感度化と,数分以内の迅速分析を達成する革新的な「ファイバー型増幅法」の原理・製造方法を構築する。この新技術で血液採取後の血中細胞の分泌・代謝や遊離物質との結合によるマーカー分子の濃度変動を防ぎ,がんマーカーの感度・特異性を最大限に引き出すことで,超高感度の迅速検体検査技術を創製する。
|
研究成果の概要 |
本研究では,ファイバー型増幅法による超高感度・迅速がん検体検査技術を開発するために,(a) 高感度,(b) 迅速性に加え,(c) 一連操作,(d) 小型という計4つの性能を満足するバイオセンサを開発した。アクリル樹脂素材に,ハチの巣状の穴加工を施した反応部を試作し,十倍程度の表面積増大を達成した。空間増幅法を適用した小型化したバイオセンサを試作し,IL-6を感度1pg/mLを検出した。健常被検者14名の血漿を採取し,そのIL-6濃度を経時的に複数回分析することで血中細胞や遊離物質のマーカー分子への影響を検証した。以上により,空間増幅法を用いたバイオセンサ開発のめどをつけた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者の死因の9割は転移である。すなわち,がん転移を制圧することはがんを制圧することである。がん転移は,乳がんは肺へ,大腸がんは肝臓へなどある程度の指向性がある。この臓器選択性を制御しているのが,300種あるサイトカインの一群である。1970年代以降,がんとサイトカインに関する21万編に及ぶ論文が発表され,ほとんどの生体反応はサイトカインで説明できる。もし,的中率が高い数項目のサイトカインを用い,がんの進行度や治療効果を病院だけでなく自宅でも判定できる迅速検体検査 (POCT) 技術が実現できれば,診断・治療のキーテクノロジーとなりうる。
|