研究課題/領域番号 |
20H04518
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高橋 賢 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50432258)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 脳梗塞 / 腎臓移植 / 虚血再灌流障害 / 臓器チップ / 活性酸素種(ROS) / 一酸化窒素(NO) |
研究開始時の研究の概要 |
心筋梗塞、脳梗塞、そして腎臓移植後の腎組織傷害は、虚血再灌流障害に起因すると考えられている。本研究は、虚血再灌流障害においてTRPM4チャネルが心筋細胞を傷害するという本研究代表者の発見をヒントに、このチャネルの活動が心、脳、腎の虚血再灌流障害で一般に組織を傷害するという大胆な仮説を立て、これを検証する。本研究により、心筋梗塞、脳梗塞、移植時の腎機能低下を惹起する共通の病態メカニズムの解明が期待される。さらに今後の大きな潮流を成すであろうヒト臓器モデルでの血液灌流法を完成させ、医学研究のさらなる発展に貢献する。
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研究成果の概要 |
CRISPR/Cas9でTRPM4遺伝子をノックアウトしたヒトiPS細胞株を樹立した。これにより、TRPM4活動を欠いた状態で虚血再灌流障害の評価が可能になった。また、血管内皮細胞、線維芽細胞、およびiPS心筋細胞から成るヒト心臓チップの開発に成功した。その生理的応答や薬物反応はin vivoの心臓に類似していた。これに加え、カルシウムイオンや一酸化窒素のライブイメージングに成功し、血管内皮細胞の機能評価も可能となった。さらに、近位尿細管細胞および血管内皮細胞から成る腎臓チップの開発に成功した。この腎臓チップにおいて、グルコースおよび尿素窒素に関し、生体に類似した物質輸送が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ヒト心臓チップおよびヒト腎臓チップの作成方法を確立し、動物実験よりもより正確にヒト心臓および腎臓の機能を評価しうる方法を提供した点で、社会的な意義が大きい。これらの臓器チップモデルを発展させることにより、虚血再灌流にとどまらず、心不全や腎不全などの疾患を模擬することが可能となる。また、心筋梗塞、脳梗塞、および虚血再灌流障害に関与していると考えられるTRPM4チャネルのノックアウトを、ヒトiPS細胞で行った。このノックアウト細胞は、様々な細胞に分化させることができ、TRPM4チャネルが関与すると考えられる生理機能の検証や、疾患メカニズムの解明に貢献すると期待される。
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