研究課題/領域番号 |
20H04521
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)
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研究分担者 |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 心筋 / 分裂 / 再生 / 酸素環境 / Fam64a / Novex-3 / 心筋細胞 / 分化 / APC/C / 心筋再生 / 分裂・再生 / Novex3 / 核の硬さ |
研究開始時の研究の概要 |
心筋梗塞や心不全等の心疾患には根本的治療が存在しない。iPS細胞等の未分化細胞から体外で心筋を作製する研究が精力的に進められているが、現時点で作製し得る心筋細胞は胎児心筋程度の成熟度(分化度)であり、成体心筋の機能を補うには不十分である。これに対して近年、胎生期の心筋が活発に分裂することを利用し、この胎内環境を成体心筋に導入することで一時的な分裂再生能の回復を目指す戦略が注目されている。我々は、胎生期の低酸素環境が心筋分裂に必須であることを突き止め、重要な三つの遺伝子(Fam64a, APC/C, Novex3)を同定した。本研究ではこれらの三因子を利用した新たな心筋再生戦略の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
心筋細胞は胎生期にのみ分裂能を有する為、成体では心筋梗塞等で失われた心筋を再生することは出来ない。本研究では、我々が同定した心筋分裂促進因子[Fam64a, Novex-3]を用いた心再生を検討した。Fam64aについては過剰発現/KOマウス、及び、成体期心傷害マウスへの一過性且つ局所的なFam64aの導入等の手法により心再生効果を立証できた。Novex-3についてはKOマウスを用いた解析により、Novex-3が細胞分裂に必須の中心体を保護し、微小管の核への移行を阻害することで核を柔軟に保つことにより心筋分裂を促進する分子機序を見出した。今後はこれらを組み合わせた心筋再生の実現を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋細胞は出生直後に分裂能を失う為、成体期において心不全等の心疾患で失われた心筋を再生することは出来ない。iPS細胞由来の心筋は現段階では未熟な胎児様心筋であり、成体心筋の代替としては不十分である。本研究では、我々が同定した心筋分裂促進因子Fam64a, Novex-3の分子作用機序を検討し、将来的な心再生への適用可能性を探った。マウスを用いた過剰発現、ノックアウト、傷害心筋に対する一過性・局所性の導入発現等の手法により、Fam64aの心再生効果を確認できた。Novex-3についても心再生のベースとなる心筋分裂促進機序を明らかにすることが出来た。今後は、両者を組み合わせた心再生の実現を目指す。
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