研究課題/領域番号 |
20H04542
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
工藤 信樹 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (30271638)
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研究分担者 |
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 教授 (90384784)
佐々木 東 北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (00754532)
松崎 典弥 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00419467)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 超音波 / 微小気泡 / 薬物送達 / 血液脳関門・血液腫瘍関門開放 / 血管ファントム / 3次元培養 / 高速度・共焦点観察 / 超音波と微小気泡 / 血液脳関門・血液腫瘍関門解放 / 毛細血管ファントム / 高速度観察 / 血液脳関門解放 / 高速度・共焦点顕微 / 血液脳関門開放 / 高速度顕微観察 |
研究開始時の研究の概要 |
血管内に投与された薬剤を超音波を照射した部位のみに送達する超音波薬物送達では,直径数ミクロンの気泡を薬剤と同時投与することにより大幅に効率が向上することが知られてい る.しかし血管内で起きている現象の直接観察は困難で,機序は未解明である.本研究では,世界最先端の高速度撮影・共焦点顕微観察システムと,3次元細胞培養により作成した血管ファントムや生体内顕微観察技術を用いて,血管内で膨張・収縮する気泡が内皮細胞や血管構造に及ぼす機械的作用と,その結果生じる生理的作用をその場観察する.得られた結果を基に,血管の透過性変化や血管損傷の発生機序を解明し,高効率で安全な薬物送達の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
薬物送達における超音波の機械的・生理的作用機序の解明を目指し,以下を検討した.まず,細胞の物理特性を模擬したゲルを用いて内腔径10ミクロンの管腔ファントムを作成し,気泡のダイナミクスが生じる内腔変形とゲル硬さの関連を調べた.次に,血管内皮細胞の3次元培養により毛細血管をゲル内に作成し,その内皮細胞層からの薬剤漏出と細胞損傷を共焦点蛍光観察により明らかにした.さらに,ラット腸間膜を用いたex vivo実験を通じて,実組織の毛細血管内における微小気泡ダイナミクスを明らかにした.最後に,超音波による樹状細胞の機械刺激を実現し,超音波照射による免疫機能活性化の可能性を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管内の微小気泡への超音波照射による局所薬物送達は,実現に向けて多くの基礎的・臨床的研究が進められている.しかし,毛細血管内気泡のダイナミクスとそれが内皮細胞に与える影響の直接観察は難しく,薬物送達の根源的な作用機序は解明されていない.本研究では,ゲル,三次元培養細胞,腸間膜を用いて3種類の毛細血管ファントムを作成し,腔内における気泡ダイナミクスの高速度観察,血管外漏出の増加と細胞損傷の蛍光観察を実現する新手法を開発し,生体内で起きている現象の実像に迫った.本研究の成果は,超音波薬物送達の分野における全ての実験結果の統一的理解に重要な役割を果たし,応用の進展に大きく寄与するものと考えられる.
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