研究課題/領域番号 |
20H04558
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 健 東北大学, 工学研究科, 教授 (50332515)
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研究分担者 |
柴田 圭 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, リスク管理研究グループ, 任期付研究員 (60612398)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 転倒 / すべり / つまずき / 高齢者 / 摩擦 / 神経筋骨格モデル / 転倒予防 |
研究開始時の研究の概要 |
平均寿命の増加に伴い高齢者転倒防止が社会全体の危急の課題となっている.高齢者はすり足歩行になりやすく,そのため足底と床面間の摩擦や摩擦の変化が歩行の安定性に大きく影響する.すなわち,摩擦が低すぎれば「すべり転倒」が生じやすく,高すぎれば前方への「つまずき転倒」が生じやすくなると考えられる.本研究では,神経筋骨格モデルを用いた歩行シミュレーションと歩行実験に基づいて,歩行中のすべり転倒やつまずき転倒を防止し,安全かつ安定な歩行を可能とする足底と床面間の摩擦係数の好適範囲の解明を行う.さらに,この知見に基づいて,すべり転倒・つまずき転倒の双方を抑制可能な靴底材料・床材料の開発を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,二足歩行の神経筋骨格歩行モデルを用いた歩行シミュレーションと歩行実験により,高齢者に見られるすり足歩行において,すべり転倒・つまずき転倒が生じない好適な足底と床面間の摩擦係数の範囲が存在すること,そしてその摩擦係数の範囲が0.4~1.1であることを明らかにした.また,植物系多孔性炭素粒子のゴムへの充填や矩形ゴムブロックの端面角部半径の制御により上記の好適摩擦係数範囲の摩擦係数を,水潤滑下や油潤滑下という低摩擦になりやすい条件においても実現できることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,高齢者にみられるすり足歩行において,すべり転倒及びつまずき転倒が生じない靴底と床面間の摩擦係数の範囲を明らかにするとともに,これらの摩擦係数の範囲を乾燥状態,水濡れ・油濡れ状態において実現可能なゴム複合材料の開発ならびに意匠設計に成功したものである.本研究は,高齢者の転倒防止のための靴底や床材料の開発につながる点で社会的意義が高く,さらに,安定歩行のための足底と床面間の摩擦の役割について,本質的な理解を与えるものであり,学術的意義も高いといえる.
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