研究課題
基盤研究(B)
体内時計は、睡眠といった多様な生理機能に日周変動を作り出し、その時刻を外環境に同調させる恒常性維持機構である。この制御には、体内時計自体の時刻が光情報を利用し、自然界の昼夜の変化に同調(光同調)することが必須である。要介護者と高齢者では、体内時計の光同調が不安定になり易いため、夜間の徘徊(睡眠障害)やせん妄(意識障害)といった介護者に大きな負担となる病態が頻発する。この解決策として、在宅で簡便に使用できるヒト体内時計を人工光を用いて調節するシステムを構築することが本研究の目的である。
体内時計は、多様な生理機能に観察される約24時間の周期変動を作り出す生命現象であり「光を利用し自然界の昼夜の変化に対し体内環境を最適化する」という重要な生理的な役割を担っている。この機能には、体内時計自体の時刻が光情報を利用し自然界の昼夜の変化に同調(光同調)することが必須である。要介護者と高齢者では、体内時計の光同調が不安定になり易く、睡眠障害や意識障害といった介護者に負担となる病態が頻発する。この解決のために「簡便に使用できるヒト体内時計を人工光により正常化する系の開発」が求められている。しかし、1)非侵襲的で安価なヒト体内時計の評価系の構築が困難であること、および 2)体内時計の光同調機構の理解が不十分であることから、ヒト体内時計の光調節系は確立されていない。この背景より、本研究は、1)細胞時計の光同調を制御する新規のシグナル分子の探索(計画1)、および2)体内時計の評価系の開発と光調節系の基盤確立(計画2)を目的としている。計画1の研究成果は、光による細胞時計の同調が細胞内の酸化状態の調節を介していることを見出し、この調節に関わる酸化状態の変化に応答する分子群を選定したことである。また睡眠調節ホルモンのメラトニンが、その抗酸化作用を介して細胞時計とその代謝制御を調節することを提唱した。計画2の研究成果は、ヒト体内時計を評価する系を構築するために生体信号の日周変動を計測する系を確立したことである。またこの評価系に基づいて、人工光によりヒト体内時計の時刻を調節する系の構築を開始した。
2: おおむね順調に進展している
実験モデル動物を用いた細胞時計の光同調を制御するシグナル分子の探索と同定したシグナル分子の遺伝子改変個体の作出・解析が実施できた。また、生体信号の日周変動を計測する系の構築が計画通りに進んでいる。
これまでの実験モデル同b津を用いた解析と生体計測に関する解析を継続して行う。特に、後者に関する成果の論文化をめざしていく。
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