研究課題/領域番号 |
20H05629
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分A
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 隆一 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00397704)
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研究分担者 |
白 羽 東北大学, 経済学研究科, 講師 (10972846)
別所 俊一郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90436741)
近藤 絢子 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20551055)
Li Yanjun 東北大学, 経済学研究科, 講師 (60972742)
増田 一八 学習院大学, 経済学部, 准教授 (70778357)
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
Wang Tong 立命館大学, 国際関係学部, 助教 (30822267)
Weese Eric 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50777844)
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研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
133,900千円 (直接経費: 103,000千円、間接経費: 30,900千円)
2024年度: 27,430千円 (直接経費: 21,100千円、間接経費: 6,330千円)
2023年度: 24,310千円 (直接経費: 18,700千円、間接経費: 5,610千円)
2022年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2021年度: 26,130千円 (直接経費: 20,100千円、間接経費: 6,030千円)
2020年度: 30,810千円 (直接経費: 23,700千円、間接経費: 7,110千円)
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キーワード | 教育経済学 / 教育政策 / 初等中等教育 / 学校統廃合 / 説明責任 / 初等教育 / 中等教育 / 政府統計 / 行政データ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、子どもの人的資本形成過程の中でも特に初等中等教育に焦点を当て、教育制度や教育政策が人的資本形成に与える効果を因果推論に裏打ちされた政策評価方法を適用することで実証的に明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために、文部科学省の全国学力・学習状況調査の児童生徒個票をはじめとする政府統計と独自の調査を組み合わせて分析し、教育政策に関する様々な仮説検証を行う。具体的なテーマは、①小中学校の統廃合分析、②学校の裁量権強化の効果検証、③学校内での相対学力の影響、④教育行政パネルデータを用いた分析、⑤高校生の進路選択の動学分析、⑥義務教育制度変更の長期的影響分析である。
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研究実績の概要 |
2022年度は、6つの研究テーマについて分析を行った。研究会では高校生の進路選択の動学的分析、日本の小中学校の等配合の意思決定は経済的非効率性が高い可能性があることを示唆する結果、を議論した。2022年度は特任助教、特任研究員、常勤RA各1名を雇用し、研究体制を充実させた。クラスサイズの縮小が感染症による学級閉鎖の確率を引き下げることを明らかにした、及川、田中、別所、野口による研究論文“Do Class Size Reductions Protect Students from Infectious Disease? Lessons for Covid-19 Policy from Flu Epidemic in Tokyo Metropolitan Area”は国際英文査読付学術雑誌American Journal of Health Economicsに掲載され、井上と田中による論文“Do Teachers’ College Majors Affect Students’ Academic Achievement in the Sciences? A Cross Subfields Analysis with Student-Teacher Fixed Effects”はEducation Economicsより出版されることが決定した。また、“Do Class Closures Affect Students' Achievements? Heterogeneous effects of students' socioeconomic backgrounds,”“Inefficiency in School Consolidation Decisions,”“The Rank of Socioeconomic Status within Class and the Incidence of School Bullying and School Absence,”“An Accountability Shock and Student Achievement: Neighboring Schools Matter”の4本がRIETIのDPとして出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を構成する6つの研究テーマはそれぞれ進展している。学校統廃合に関する研究では、“Inefficiency in School Consolidation Decisions”をディスカッションペーパーとして出版した。学校の説明責任に関する研究では、“School Accountability and Student Achievement: Neighboring schools matter” をディスカッションペーパーとして出版した。学校内での相対的地位の影響に関する研究では、“The Rank of Socioeconomic Status within a Class and the Incidence of School Bullying and School Absence”をディスカッションペーパーとして出版した。自治体行政データを活用した研究として、“Do Class Closures Affect Students' Achievements? Heterogeneous effects of students' socioeconomic backgrounds”をディスカッションペーパーとして出版した。今後、これらの論文を査読付き学術誌から出版する準備を進める。
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今後の研究の推進方策 |
各研究テーマの今後の研究実施計画は以下の通りである。① 最適な小中学校統廃合方法の検証:学校基本調査と地方教育費調査のデータを、通学費用と学校統廃合に関する独自調査の結果を組み合わせることにより、日本全国の各学区における学校統廃合にかかる厚生費用を推計する。また、学校統廃合と首長選挙との関係について調べ、政治的配慮が学校統廃合の阻害要因となっていないかを検証する。②学校の説明責任と裁量権強化の効果検証:分析が概ね完了している論文については、論文執筆後に学術誌への投稿を行う。③ 学校内での相対学力の影響:家庭の社会経済状況(S E S)の学級内ランクが児童生徒のいじめ被害や欠席に対して与える効果の分析を国際比較可能な学力調査データを用いて継続して行う。④ 教育行政パネルデータを用いた子どものそだち分析:学級規模の縮小効果の異質性分析を進めるとともに、複数の自治体から得られる予定のデータを用いて学力等の決定要因分析を進める。⑤ 高校生の進路選択の動学分析:友人関係のネットワーク分析手法を応用して、高校生の友人関係ネットワークが進路選択に与える影響の分析を続ける。また、出生時縦断調査の個票データを用いて、高校および大学の進路選択の決定要因分析を行う。⑥ 義務教育制度変更の長期的影響分析:学習指導要領の変更、及び、中学校における給食導入の中長期的影響分析を進める。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A-: 研究領域の設定目的に照らして、概ね期待どおりの進展が認められるが、一部に遅れが認められる
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