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大型偏極ターゲットを用いた核子スピンのクォーク構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H05637
研究種目

基盤研究(S)

配分区分補助金
審査区分 大区分B
研究機関山形大学

研究代表者

岩田 高広  山形大学, 理学部, 教授 (70211761)

研究分担者 松田 達郎  宮崎大学, 工学部, 教授 (20253817)
宮地 義之  山形大学, 理学部, 教授 (50334511)
研究期間 (年度) 2020-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
201,760千円 (直接経費: 155,200千円、間接経費: 46,560千円)
2023年度: 28,080千円 (直接経費: 21,600千円、間接経費: 6,480千円)
2022年度: 25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2021年度: 47,450千円 (直接経費: 36,500千円、間接経費: 10,950千円)
2020年度: 100,620千円 (直接経費: 77,400千円、間接経費: 23,220千円)
キーワード核子スピン / クォーク / 軌道角運動量 / 偏極標的 / QCD / 偏極ターゲット / CERN / 核子 / スピン
研究開始時の研究の概要

物質を構成するのは電子と、原子核を構成する核子(陽子と中性子)である。電子はスピン1/2を持つ素粒子で、その性質はよく理解されている。ところが、やはりスピン1/2を持つ核子の構造は十分に解明されていない。核子は、スピン1/2を持つ素粒子であるクォーク3個が軌道角運動量0で結合した複合粒子で、そのスピンはクォークスピンの合成と考えられてきた(クォークモデル)。ところが、現実にはクォークスピンの役割が少ないことが分かってきている。本研究では「核子のスピンがなぜ現れるのか?」を解明するため、特にクォークの軌道運動が核子スピンに与える影響の有無を詳しく調べ、核子スピンの起源に迫る。

研究実績の概要

物質はどのようにできているのか? 物質を構成するのは電子と、原子核を構成する核子(陽子と中性子)である。電子はスピン1/2 を持つ素粒子で、その性質はよく理解されている。ところが、やはりスピン1/2 を持つ核子の構造は十分に解明されていない。核子は、スピン1/2 を持つクォーク3個が軌道角運動量:L=0で結合した複合粒子で、核子のスピンはクォークスピンの合成と考えられてきた(クォークモデル)。ところが、クォークスピンの役割が少ないことが分かってきている。結局、クォークスピン以外で核子のスピンに寄与しているものは何か? は現在も不明で「核子スピンの起源の謎」と呼ばれる重大な問題になっていた。本研究では核子スピンの起源を実験的に探究する。クォークの軌道角運動量(OAM)寄与を示すため、重陽子偏極ターゲットを用いてスピン非対称度を測定する。Sivers 関数を決定し、OAM 寄与の存否を決定する。またTransversity 関数を抽出し、標準モデルを超える理論で予想される核子の電気双極子能率(EDM)の大きさに影響するTensor-Charge を決定し、EDM の上限への示唆を与える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年5月から11月の間、160GeVのミューオンをLi6D偏極標的に入射して、データ収集をおこなった。収集した主なデータは散乱ミューオンと生成ハドロンを同時計測する、准包含深部非弾性散乱(SI-DIS)でのスピン非対称度である。この間、偏極標的は非常に順調に運転され、データ収集中は重陽子偏極度40%以上を記録した。この運転には日本からのリモートによる監視と制御が大きな役割を果たした。特に、欧州が夜間で運転者が手薄な時期における日本グループの貢献は顕著だったと思われる。結果的に、スペクトロメーターを含めた全体の実験装置も大きな問題無く働き、重陽子標的でのSI-DIS反応としては過去最大のデータ量を収集することができた。このデータを用いて重陽子スピン、散乱ミューオン、そしてハドロンの方位角の相関を解析し、様々なスピン非対称度を出すべく、解析を行っている。主な非対称度としてシバース非対称度、コリンズ非対称度があるが、前者は核子内のクォークの空間回転に敏感であり、後者は核子のスピンとクォークスピンの相関を表す。両者ともに核子スピン構造研究のために重要な量であり、今後の解析の結果が期待される。

今後の研究の推進方策

今後は収集したスピン非対称度から核子内部でのクォークの状態を示すシバース分布やTransversity分布を抽出すべく、解析を継続する。おおよそ半分程度のデータ解析が終了した段階で結果を国際会議で発表し、さらに論文にまとめ出版する。さらに残りの解析を続け、すべてのデータを解析し、シバース分布、Transversity分布に関する最高精度の結果を発表するようにして、核子のスピン構造に関する知見を極めるようにする。

評価記号
中間評価所見 (区分)

A-: 研究領域の設定目的に照らして、概ね期待どおりの進展が認められるが、一部に遅れが認められる

報告書

(7件)
  • 2022 研究概要(中間評価) ( PDF )   実績報告書   中間評価(所見) ( PDF )
  • 2021 実績報告書
  • 2020 研究概要(採択時) ( PDF )   審査結果の所見 ( PDF )   実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] CERN(スイス)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [国際共同研究] CERN(スイス)

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] COMPASS共同研究

    • URL

      https://wwwcompass.cern.ch/

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-09-07   更新日: 2024-12-25  

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