研究課題/領域番号 |
20H05642
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分B
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
桂川 眞幸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10251711)
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研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
146,640千円 (直接経費: 112,800千円、間接経費: 33,840千円)
2024年度: 24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
2023年度: 26,130千円 (直接経費: 20,100千円、間接経費: 6,030千円)
2022年度: 27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
2021年度: 29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2020年度: 39,130千円 (直接経費: 30,100千円、間接経費: 9,030千円)
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キーワード | 非線形光学 / レーザー分光 / 真空紫外 / 真空紫外レーザー / 誘導ラマン散乱 / レーザー分光学 / 高分解能レーザー分光 / 高分解能レーザー分光学 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究プロジェクトは非線形光学過程に人為的な相対位相制御を組込むことで応用レベルで利用可能な真空紫外・単一周波数・波長可変レーザーを実現し、さらにそのレーザー技術基盤をもとに真空紫外域における高分解レーザー分光学を開拓することを目指すものである。第一義的には反水素のレーザー冷却のための定量的なシナリオを構築する課題に取り組む。
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研究実績の概要 |
これまでに可視域における±3次までの誘導ラマン散乱光発生を対象にした原理実証実験を完了し、高次の非線形光学過程も含めて着想したコンセプトが現実に機能することを確かめてきた。また、位相の操作のために挿入する分散板の金属プラズマに起因する光損傷の問題も解決し、長期間安定に真空紫外発生実験を実施できる環境を構築した。 今年度は、真空紫外レーザー光発生実験を本格的に開始した。発生した真空紫外レーザー光を定量的に正確に評価できる計測系を整備し、それを実施た。また、それをもとに、非線形光学媒質の密度、相互作用長、励起光およびシード光の励起エネルギー、集光レイアウト等を系統的に変えつつ、発生に関わる基本的な特性の計測と定量評価をおこなった。可視域でなく真空紫外域の短波長に移行したことでイオン化による緩和が重要なファクターとなることが明確になり、それに関する計測とそれを定量的に組み込んだ数値計算を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って真空紫外レーザー光発生実験を本格的に開始し、発生した真空紫外レーザー光の定量評価をおこなう計測系も整備した。また、その発生・計測システムを土台として、発生に密接に関連するパラメーター、非線形光学媒質の密度、相互作用長、励起光およびシード光の励起エネルギー、集光レイアウトに関する基本的な特性の定量評価をおこなうことができた。さらに、真空紫外に移行したことでイオン化による緩和が重要なファクターとなることが明確になり、それを定量的に組み込んだ数値計算も実施し、基本的な発生として、最適な媒質密度、励起強度に関する考察を進めた。ここまで、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、光位相の任意操作技術を非線形光学過程に組み込むことで、非線形光学過程を自在に操作する研究を進めてきた。今年度は、この成果をもとに、真空紫外単一周波数波長可変レーザー光を発生させる実験を進め、実際に発生を定量的に計測・評価するところまで進めることができた。次年度以降は、これを発展させ、真空紫外単一周波数波長可変レーザーを実用レベルで使うことができる技術として基盤を固める作業を進める。そのためには、実験と数値計算の様々な側面からの系統的な比較と考察が重要と考えられ、それも並行して進めていく。また、実際に得られた光源を用いて、真空紫外における高分解能レーザー分光のデモ実験を進めるためのハード的な部分の準備を進めていく。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A-: 研究領域の設定目的に照らして、概ね期待どおりの進展が認められるが、一部に遅れが認められる
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