研究課題/領域番号 |
20H05679
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分F
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
妹尾 啓史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40206652)
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研究分担者 |
増田 曜子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80813237)
伊藤 英臣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70748425)
早川 智恵 宇都宮大学, 農学部, 助教 (10725526)
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
大森 良弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20398390)
高橋 嘉夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10304396)
小暮 敏博 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50282728)
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研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
198,120千円 (直接経費: 152,400千円、間接経費: 45,720千円)
2024年度: 32,110千円 (直接経費: 24,700千円、間接経費: 7,410千円)
2023年度: 31,590千円 (直接経費: 24,300千円、間接経費: 7,290千円)
2022年度: 38,870千円 (直接経費: 29,900千円、間接経費: 8,970千円)
2021年度: 38,350千円 (直接経費: 29,500千円、間接経費: 8,850千円)
2020年度: 57,200千円 (直接経費: 44,000千円、間接経費: 13,200千円)
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キーワード | 鉄還元菌窒素固定 / 水田土壌微生物 / 窒素供給力 / 窒素肥沃度 / 低窒素農業 / 水田土壌 / 生物的窒素固定 / 鉄資材 |
研究開始時の研究の概要 |
「稲は地力でとる」と言われるように、水田土壌には窒素供給力(窒素肥沃度)を自律的に維持する能力が備わっているが、そのメカニズムは不明であった。我々は近年、「鉄還元菌による窒素固定」が窒素供給力の根幹をなす可能性を見出した。これを発展させ、本研究では低窒素施肥で十分な水稲収量を得る低窒素農業技術の基盤を構築する。水田土壌の鉄還元菌の生態、窒素固定量、窒素固定を制御する要因の解析を行う。さらに、鉄施用を軸として鉄還元菌窒素固定を高める土壌管理法を提案し、圃場試験によって技術の確立を目指す。鉄還元菌窒素固定の全貌を解明し、大量窒素施肥による環境汚染を低減化する水稲生産技術へ応用する独創的研究である。
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研究実績の概要 |
[Ⅰ.水田土壌における 鉄還元菌窒素固定の学術基盤解明 ] 1.鉄還元窒素固定菌の微生物生態学的基盤:鉄還元窒素固定菌の分離株の性状解析を引き続き行い、新規鉄還元菌をさらに報告した。また、Geomonas属分離株について鉄還元とともに窒素固定を行うことを実証した。 2.鉄還元菌窒素固定の土壌窒素供給力への寄与:農業用鉄粉を散布した水田土壌に固定された窒素を15N2-IRMS解析により定量した。鉄粉の散布により窒素固定量が増加することが示された。 3.鉄還元菌窒素固定を制御する環境要因:稲わらが水田土壌の窒素固定の制御要因の一つであることから、稲わら分解産物である有機酸および糖の土壌から抽出法、GCMSを用いた定性・定量法を検討した。根圏土壌中の鉄還元菌の割合を増加させるイネ遺伝子の特定を進めた。水田土壌に施用した鉄の形態変化を各種の分析法により明らかにした。 [Ⅱ. 鉄還元菌窒素固定の低窒素農業への応用 ] 1.鉄化合物による鉄還元菌窒素固定の活性強化(室内実験)、2.低窒素肥料水稲生産の実証(圃場試験):水田土壌の各層において、鉄還元窒素固定菌が利用する低結晶性鉄鉱物が年間を通じて多く存在していること、鉄粉を施用した水田土壌においても同様であることを明らかにした。水田圃場において農業用鉄資材を散布して水稲を栽培する試験を継続した。鉄資材の施用により土壌の窒素固定活性が高まり、イネの生育と収量が増加する効果が継続していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施予定の研究計画の各項目について研究を進めている。土壌における稲わら分解微生物の解析手法に改良が必要と分かり時間を要したことを除いては、順調に研究が進展して成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の各項目と実施内容に変更はなく、計画通りに推進していく。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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