研究課題/領域番号 |
20H05684
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分G
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
経塚 淳子 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90273838)
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研究分担者 |
嶋村 正樹 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (00432708)
山口 信次郎 京都大学, 化学研究所, 教授 (10332298)
秋山 康紀 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (20285307)
瀬戸 義哉 明治大学, 農学部, 専任准教授 (40620282)
野村 崇人 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (60373346)
亀岡 啓 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00759152)
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研究期間 (年度) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2023年度)
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配分額 *注記 |
196,820千円 (直接経費: 151,400千円、間接経費: 45,420千円)
2023年度: 36,920千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 8,520千円)
2022年度: 37,310千円 (直接経費: 28,700千円、間接経費: 8,610千円)
2021年度: 40,430千円 (直接経費: 31,100千円、間接経費: 9,330千円)
2020年度: 44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
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キーワード | ストリゴラクトン / Bryosymbiol / KL信号伝達系 / コケ / 進化 / 植物ホルモン / コケ植物 / AM菌共生 / 根圏シグナル物質 / 植物の陸上進出 / 成長の最適化 / KL |
研究開始時の研究の概要 |
ストリゴラクトンは根から分泌されて土壌中でAM菌との共生を促進する根圏シグナル物質である。AM菌共生は植物の陸上進出を可能にし、さらに陸上でのその後の繁栄を支えてきた。種子植物はSL受容体をもっており、SLは個体内で成長を調節する植物ホルモンとしても働き、養分吸収と成長のバランスを制御して植物の成長を最適化する。本研究では、植物がAM菌との共生関係を構築し、それに合わせて成長を調節する仕組みを進化させた道筋を分子レベルで理解することをめざす。本研究により、地球が緑の惑星となりえた理由の一端を明らかにすることができる。
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研究実績の概要 |
根圏シグナル物質であり植物ホルモンでもあるというストリゴラクトンの機能について、根圏シグナル物質が祖先的な機能であり、遺伝子重複により受容体や信号伝達因子が進化したことにより植物ホルモンとしての機能が獲得されたという道筋を実験的に証明した。ストリゴラクトン受容体D14は、種子植物の祖先でKAI2遺伝子の遺伝子重複によりうまれた。したがって、それ以前に分岐したコケ植物はKAI2をもたない。しかし、コケ植物タイ類のフタバネゼニゴケを用い、フタバネゼニゴケはストリゴラクトンを根圏に分泌し、それによりAM菌との共生が起こることを証明した。また、フタバネゼニゴケの体内ではストリゴラクトンは受容されないが、シロイヌナズナのD14遺伝子を導入したフタバネゼニゴケではストリゴラクトンが受容されることを示した。したがって、フタバネゼニゴケでは受容体をもたないことがストリゴラクトンを受容しない理由であるとことを示した。 ゼニゴケ、ヒメツリガネゴケでKAI2依存信号伝達系の機能を調べた。ゼニゴケではこの信号伝達系が栄養繁殖を促進し、ヒメツリガネゴケでは原糸体成長から茎葉体成長への成長相の転換を抑制することを明らかにした。これらの結果から、KAI2経路が全体としての植物個体の成長を調節するということが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
根圏シグナル物質であり植物ホルモンでもあるというストリゴラクトンの機能について、根圏シグナル物質が祖先的な機能であり、遺伝子重複により受容体や信号伝達因子が進化したことにより植物ホルモンとしての機能が獲得されたという道筋を実験的に証明し、論文として報告できたこと。
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今後の研究の推進方策 |
ストリゴラクトン信号伝達系の祖先的な信号伝達系であるKL信号伝達系について、基部陸上植物での機能解析を続ける。サイトカイニンなどの他のホルモンとの相互作用について分子生物学的手法を用いて詳しく解析する。 KL単離に向け、ゼニゴケでの変異体スクリーニングを進め、KL合成遺伝子の変異体の取得を目指す。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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