研究課題/領域番号 |
20J00018
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 英 東京大学, 法学政治学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 政治思想 / キリスト教 / オランダ / 80年戦争 / 政教関係 / 抵抗権論 / 布教 / 黒い伝説 / 東インド会社 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は西洋政治思想史のジャンルに属しており、国際法学者として世界的に有名なフーゴー・グロティウス(Hugo Grotius, 1583-1645)の政治思想を主な対象とする。対象時期を彼がオランダの政争で逮捕される1618年までに絞る。グロティウスの『捕獲法論』などのテクストを、当時のオランダを中心とした様々な文脈のもとで考察する。より具体的には、当時のネーデルラントにおけるいわゆる80年戦争(1568-1648)や、ヨーロッパの海外拡張などである。グロティウスを軸に、日本ではあまり研究されてこなかった近世ネーデルラントの政治思想を主題とする点が本研究の特徴である。
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研究実績の概要 |
本研究はグロティウスの前期の政治思想を、主権論を主軸としながら、当時の文脈のもとで理解するものであった。 三年目は、これまで扱ってきた2つの文脈の関係を確認するところから始めた。オランダ東インド会社は世界初の株式会社として知られることもあり、一見すると80年戦争と関係がないように思われるかもしれない。だが、オランダにとって、東インド会社は80年戦争でスペインに勝利するための道具として位置づけられ、グロティウスもそのように論じていた。2022年度の政治思想学会での報告において、この点を扱った。この国内問題と海外の問題が実は密接に関係していた点が本研究にとっては重要だった。 3年目は、次に、1610年代のオランダにおける政教関係をめぐる対立と論争を扱った。1609年にスペインとオランダが休戦条約に至ると、オランダではスペインの外圧がなくなったため、亀裂が生じ、二大勢力が政教関係をめぐって対立し、内戦寸前にまで至った。グロティウスはその一方の勢力の有力政治家として活躍したが、この勢力が敗北したので、彼も逮捕され投獄された。その過程の中で彼が一通り執筆し、最終的には死後出版された『主権論』に着目した。 その本では、国内の政教問題による不和や分裂の危機を乗り越えるために主権論を展開するという、当時の他の国でもみられたような理論展開がみられた。同時に、主権論によって、政教関係を軸として海外拡張を正当化するような理論構造も確認できた。ただし、グロティウスが後者の側面を意図的に作り出したのかという点については、現時点では確たる結論に至れなかった。当時の文脈を考慮すれば、彼が意図的に生み出したといえるようにも思われるが、十分な証拠が得られるまでには至っていない。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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