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人称と共同体――19・20世紀フランス哲学における共同体論

研究課題

研究課題/領域番号 20J00020
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関立命館大学

研究代表者

伊藤 潤一郎  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードエマニュエル・ムーニエ / 人格主義 / ジャン=リュック・ナンシー / ジャック・マリタン / 共同体 / 人称 / スピリチュアリスム / 特異性
研究開始時の研究の概要

本研究は、19世紀のフランス・スピリチュアリスム以来の非人称的なものの問題が共同体の問題に結びついているということを明らかにし、このスピリチュアリスムの問題設定から、キリスト教哲学のような人称性を重視する共同体論と、それとは逆に非人称性を重視する共同体論の双方が出現してくることを示すものである。それによって、19・20世紀のフランス哲学における共同体論の複線的な系譜を明るみに出すことが本研究の最終目的となる。

研究実績の概要

今年度は、20世紀フランスのキリスト教哲学における共同体論を中心に研究を進めた。本研究は、19‐20世紀のフランス哲学における共同体論の思想史を〈人称/非人称〉という対立軸をもとに描き出すことを目的としているが、今年度の研究対象であるキリスト教哲学は主に人称を重視した共同体論を展開したことで知られている。この大きな枠組みを踏まえ、具体的にはエマニュエル・ムーニエを対象として、その共同体論の構造を人称という観点から解明するとともに、ムーニエが共同体論を練り上げる際の思想的コンテクストを明確にすることを目指した。近年フランスでは、ムーニエの遺稿集や書簡集の刊行が進み、2020年からは『エマニュエル・ムーニエ全集』の出版が始まるなど、最新資料が続々と公にされ、資料の整備が進んでいる。今年度はこうした最新の文献を踏まえつつ、ムーニエの共同体論において「人格」という概念が果たす役割を明確にするとともに、神という人格に関してはムーニエが戦略的にあいまいな態度をとり、みずからの思想を宗教色を脱した人間主義としても読まれる可能性へと開いていることを、ジャック・マリタンとの論争から明らかにした。さらに、本研究の着地点であるジャン=リュック・ナンシーの共同体論への影響関係についてもあらためて精査した。以上の成果は、『ジャン=リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院)の第1章「人格主義の影――一九六〇年代のナンシーの思考について(一)」と第5章「意味と投壜通信――不定の二人称への言表行為」にまとめられている。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 眠りと思考 : ジャン=リュック・ナンシーにおける思考のリズムについて2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 雑誌名

      立命館大学人文科学研究所紀要

      巻: 128 ページ: 105-124

    • DOI

      10.34382/00015847

    • NAID

      120007180638

    • ISSN
      0287-3303
    • URL

      https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/records/15876

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 身体の奥底で――場としての自己と二人称2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 雑誌名

      思想

      巻: 1172 ページ: 110-119

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 概念の羅針盤――現代実在論の認識論的方向と存在論的方向2021

    • 著者名/発表者名
      トリスタン・ガルシア(著)、伊藤潤一郎(訳)
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 49(1) ページ: 62-74

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 毒を喰らう技術──ワクチンに対する個の当事者性2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 48(16) ページ: 204-214

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 「なぜ」から「いかに」へ――なぜ脱構築は文学を語るのか2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 雑誌名

      日本フランス語フランス文学会 関東支部論集

      巻: 29 ページ: 113-126

    • NAID

      130008076228

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ウイルス性の例外化2020

    • 著者名/発表者名
      ジャン=リュック・ナンシー(著)、伊藤潤一郎(訳)
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 48(7) ページ: 11-11

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] あまりに人間的なウイルス2020

    • 著者名/発表者名
      ジャン=リュック・ナンシー(著)、伊藤潤一郎(訳)
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 48(7) ページ: 22-26

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] デリダの耳、ナンシーの耳――両者におけるトーンの分有2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会2021年度春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 眠りとボーっとすること――ナンシーにおける思考とリズム2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 学会等名
      立命館大学間文化現象学研究センター×東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)シンポジウム「ひとはいかにして思考するのか? ――バタイユ、ブランショ、ナンシー」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 個と普遍――レヴィナス哲学の新たな広がり2022

    • 著者名/発表者名
      杉村靖彦、渡名喜庸哲、長坂真澄(編)、伊藤潤一郎(分担翻訳)
    • 総ページ数
      422
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      9784588151224
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] ジャン=リュック・ナンシーと不定の二人称2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤潤一郎
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      人文書院
    • ISBN
      9784409031131
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] あまりに人間的なウイルス――COVID-19の哲学2021

    • 著者名/発表者名
      ジャン=リュック・ナンシー(著)、伊藤潤一郎(訳)
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326154784
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] いま言葉で息をするために――ウイルス時代の人文知2021

    • 著者名/発表者名
      西山雄二(編著)、伊藤潤一郎(分担執筆・翻訳)
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326154807
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] アイデンティティ――断片、率直さ2021

    • 著者名/発表者名
      ジャン=リュック・ナンシー(著)、伊藤潤一郎(訳)
    • 総ページ数
      140
    • 出版者
      水声社
    • ISBN
      9784801005440
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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