研究課題/領域番号 |
20J00227
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 奈名子 早稲田大学, 政治経済学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ラジオ放送 / 占領期 / メディア史 / NHKアーカイブス / GHQ / 批判的談話研究 / データベース / リスクコミュニケーション / 井上ひさし |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、戦中・占領期・独立後にまたがる日本のラジオ史を、アメリカのラジオ史との接点・分岐点を見出して解明することである。「マイクの開放」と呼ばれる占領下日本で実施されたGHQ主導の放送民主化改革の歴史的意義を、占領前後の文脈を汲む日本近現代史のダイナミクスのなかに位置付けて紐解く。日米双方で未公刊一次史料の網羅的収集を行い、日米貫戦史という仮説的枠組みのもと、ラジオ番組、特にインタビュー番組を実証的に考察する。放送音源・台本・写真・番組宛ての投書・ラジオの聴取体験を書き記した雑誌や文学作品など、これまで包括的検証がなされてこなかった資料を幅広く用いることで、各番組の批判的考察を深める。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、渡米調査など出張を取りやめ、研究計画を変更した。(研究代表者の特別研究員中途辞退により、国外資料入手ができずに本研究を終えざるを得ないが、今後の研究課題にて資料入手を達成したい。) 春から夏までは、「敵はコロナか、みんなか―戦争メタファーから考えるリスクコミュニケーション―」名嶋義直編『リスクコミュニケーション―排除の言説から共生の言説へ―』(p.61-100、明石書店)を執筆した。歴史的メディア研究の知見を活かし、なぜ感染拡大をめぐり「コロナとの戦い」といった言い回しが用いられるかなど、戦争メタファーを用いる言説に隠された意図を分析した。 秋以降は、特別研究員奨励費(18J10250)を得て執筆した博士論文をもとにした、単著『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」―支配を生む声、人間を生む肉声―』(慶應義塾大学出版会)の出版に注力した。NHK未公刊一次資料やGHQ文書を用いながら、批判的談話研究(CDS)の枠組みに依拠し、占領期ラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』における民衆の声の分析を行い、「マイクの開放」の内実を検証した。ラジオからの声を、GHQによる支配構造強化の〈声〉と、占領下を生きる民衆間の共鳴を喚起した〈肉声〉として捉えなおし、アメリカの占領政策、天皇の戦争責任、戦後日本の民主化を再考した。 一般社会への発信として、第3年度分研究費を前倒しし、「占領期ラジオ放送・投書データベース」を構築した。データベースURLを、前述の単著に明記し、読者も投書分析に加わってもらえるよう工夫した。 また、同書出版社の広報ページ(note)に、「ラジオを聴きながら読む本 ―『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』のデジタル・アーカイブ公開―」を公開し、単著の注に明記したURLに、読者が簡単にアクセスできるよう工夫した。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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