研究課題/領域番号 |
20J00328
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三嶋 剛 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 量子色力学 / 大型ハドロン衝突型加速器 / LHC / ヒッグス粒子 / 標準模型 / 素粒子標準模型 |
研究開始時の研究の概要 |
素粒子現象においては、実験によって得られた測定結果と理論に基づく計算結果が高い精度で一致しており、現在の素粒子標準模型の正しさを支持している。しかし、さらに高い精度で両者を比較した場合でもこの一致が続くかどうかは誰にも分からない。これを検証するために理論側で解決しなければならない課題が、複雑な量子過程の効果の計算である。 本研究では、各々の量子過程がどれくらいのエネルギーで起きているかを詳細に解析する「領域分割展開」という新しい手法を発展させ、これまで困難だった物理量の計算を実行することを目指す。
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研究実績の概要 |
現在の素粒子物理学の主眼のひとつは理論計算と実験結果の比較の精密化である。本研究では理論計算の精度を向上させるために、2つの方向から研究を進めた。 1つ目の研究として、大型ハドロン衝突型加速器でのヒッグス粒子生成実験で測定されている生成断面積の量子色力学的一時補正の計算をおこなった。生成断面積には複雑な量子補正が関わっており、解の知られていないファインマン積分がいくつも現れる。本研究ではそれらを2つの異なる近似で評価してつなぎ合わせるという手法を発展させた。この手法は実用性も拡張性も高く、今後も他の生成断面積の計算に応用できる汎用性がある。並行して、この物理量に対する量子色力学補正だけでなく弱い相互作用による補正も部分的に計算し、論文として発表した。 2つ目の研究として量子色力学の高次補正計算に現れるリノーマロンを適切に分離する手法を発展させた。リノーマロンは理論計算の精密化を阻害するため、これを分離することで精密な計算が実現できる。また、一般的な物理量に対して場の量子論の演算子積展開の中でリノーマロンの効果が相殺する機構を、本手法と領域分割展開の組み合わせによって提示した。さらに、理論的枠組みを整備しただけでなく、本手法を主にBメソンの崩壊幅に適用し、素粒子の標準模型の基礎パラメータのひとつであるカビボ-小林-益川行列の行列要素のひとつを決定した。 補足として、本研究課題とは直接の関係は薄いが、私が以前参加していたpiAFグループのおこなった原子核実験の測定データの解析が完了し、結果が論文として発表された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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