研究課題/領域番号 |
20J00377
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
梅川 由紀 立教大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ごみ / 高度経済成長期 / 電気冷蔵庫 / 台所改造 / 掃除機 / 粗大ごみ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「ごみにまつわる視覚・臭い・音の風景の不可視化」という現象が、ごみと人間の関係にどのような変化を及ぼし、現代社会のごみにどのような意味をもたらすのかを明らかにする。 現代社会は、日常生活においてごみと接する機会は限定的になり「不可視化」が進んでいる。例えば、ごみ出しは所定の日時・場所で行われ、出されたごみを見る機会は限られている。袋に密閉されたごみは、臭いも音も出さずに収集される。一方、戦前は自宅でごみの焼却や埋め立てを行い、ごみは風景の中に常に存在した。戦後の一時期は、鈴を鳴らしウジや悪臭をまき散らしながら収集した。このような現代社会の「不可視化」を切り口に、ごみの意味を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は「ごみにまつわる視覚・臭い・音の風景の不可視化」という現象が、ごみと人間の関係にどのような変化を及ぼし、現代社会のごみにどのような意味をもたらすのかを明らかにすることである。1926~1940・1955~1973・2000~2015年のごみの発生・保管・排除場面に関して、資料収集とインタビュー調査から考察予定であった。ところが新型コロナの影響で資料収集やインタビューの実施が難しくなってしまった。そこで令和2年度は、既に一部の資料収集が完了していた1955~1973年の、ごみの発生・保管・排除場面に関する研究を行う方針に切り替えた。1955~1973年は、ごみと人間の関係における「転換点」と考えられ、本研究において重要な時期である。まずこの時期に注目することは研究遂行上、意味があると考えた。 具体的には以下の知見を得た。ごみの発生場面の研究では、電気冷蔵庫の普及に着目した。人々は、ついよけいに買いすぎ・作りすぎ・しまい込み・結局だめにするという「余剰品」を生みだす様子を明らかにした。また台所改造に着目し、台所は汚れやごみが「あっても仕方のない場所」から「あってはいけない場所」へと変化する様子を示した。ごみの保管場面の研究では、掃除機に着目した。ほうきを用いた掃き出す掃除から、掃除機を用いた吸い取る掃除への変化は、掃除の際に空間を舞うチリやホコリの量を減少させた。すると人々は逆に、空間を舞うチリやホコリを強く意識する様子を示した。ごみの排除場面の研究では、粗大ごみに着目した。粗大ごみ登場時に表出した違和感から、通常のごみが「燃やすことができ、埋め立てることができ、土壌化できる、小さな存在」と理解される様子を提示した。以上の分析結果から、人々はごみを「発見」し、ごみ概念が拡大している様子を明らかにした。現代社会のごみと人間の関係を示す、重要な視点を示すことができた。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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