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メルロ=ポンティを手がかりとした現代における哲学者のエートスの探究

研究課題

研究課題/領域番号 20J00448
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分01010:哲学および倫理学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

佐野 泰之  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード現象学 / 実存主義 / フェミニスト現象学 / 生き方 / メルロ=ポンティ / 言語 / 文学 / フェミニズム
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、20世紀フランスの実存主義哲学者モーリス・メルロ=ポンティの思想の研究、および彼の思想を手がかりとした哲学史の研究を通して、近代以後の学問の発展の中で忘却された「生き方」としての哲学を復権することである。
具体的には、「書くこと」をめぐるメルロ=ポンティの議論に注目して、哲学と政治の関係という問題に対する彼の見解を明らかにし、その見解の独自性を (1) 先行する現象学者や同時代の実存主義哲学者たちの議論、および (2) ミシェル・フーコーやピエール・アドなど、「生き方」という観点から哲学史を読み解いた論者たちの議論との比較を通して浮かび上がらせることを目指す。

研究実績の概要

令和4年度は大きく分けて二つの研究に取り組んだ。
1)日本現象学会第44回研究大会での発表において、昨年度の「フェミニスト現象学」に関する研究をさらに発展させ、現象学の中心的方法である「現象学的還元」が現代のフェミニスト現象学においてどのような役割を果たしているかを考察した。その結果、還元はわれわれの経験を暗黙理に規定している既存の社会的・歴史的規範から批判的な距離を取る努力という実践的意義をもちうるという洞察を得た。この研究は、近年で国内でも注目を集めつつあるフェミニスト現象学の方法論を明確に定式化することによってフェミニスト現象学の意義を明らかにするとともに、経験の被構築性をめぐる現象学とポスト構造主義の間の論争を調停する独自の展望を提示することができた。
2)メルロ=ポンティの言語論やフェミニスト現象学に関するこれまでの洞察を踏まえながら、それらが教育や研究の具体的場面においてどのような行動指針を与えうるかを、文章表現の指導や異分野コミュニケーションといった事例に即して考察した。こうした考察を通して、現代における「生き方」の問題を考えるにあたって現象学やメルロ=ポンティの言語論が、既得の知識を超えるものへと自らを開いていくための具体的な方法をさまざまな仕方で例示しており、この点で重要な貢献をなしうるという見通しを示した。これらの成果の一部は「時間・空間と想像力」研究会における報告やナカニシヤ出版から刊行された書籍『〈京大発〉専門分野の越え方』の中で発表した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] La double métamorphose du corps chez l’écrivain selon le cours de Merleau-Ponty au Collège de France, 19532020

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki SANO
    • 雑誌名

      仏語仏文学研究 = Revue de langue et littérature françaises

      巻: 54 ページ: 161-175

    • DOI

      10.15083/00080167

    • NAID

      120006955845

    • URL

      https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/55051

    • 年月日
      2020-12-28
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] メルロ=ポンティと「生き方としての現象学」2020

    • 著者名/発表者名
      佐野泰之
    • 雑誌名

      現象学年報

      巻: 36 ページ: 95-102

    • NAID

      40022444754

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] フェミニスト現象学における還元の位置づけ2022

    • 著者名/発表者名
      佐野泰之
    • 学会等名
      日本現象学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 梅田卓夫の文章表現論2022

    • 著者名/発表者名
      佐野泰之
    • 学会等名
      「時間・空間と想像力」研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 意識の沈黙と言語のざわめき――サルトル「行きと帰り」を読むメルロ=ポンティ2022

    • 著者名/発表者名
      佐野泰之
    • 学会等名
      フランス現象学研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Phenomenology of Perception in Japan: Current Trends and the Future2021

    • 著者名/発表者名
      Maiko SAKAI, Tadashi KAWASAKI, Tetsuo SAWADA, Yasuyuki SANO, Yu Miyahara
    • 学会等名
      International Merleau-Ponty Circle
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 現象学を揺り動かす――トランスジェンダー現象学を引き受けるために2020

    • 著者名/発表者名
      佐野泰之
    • 学会等名
      日本現象学会第42回研究大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 〈京大発〉専門分野の越え方2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 広道、佐野 泰之、杉谷 和哉、須田 智晴、谷川 嘉浩、真鍋 公希、三升 寛人
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      4779516978
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] Neon Genesis Evangelion and Philosophy2022

    • 著者名/発表者名
      C. Cotton & A. W. Winters
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      Open Universe
    • ISBN
      9781637700044
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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