研究課題/領域番号 |
20J00499
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
虫賀 幹華 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒンドゥー教 / 聖地 / 巡礼 / 祖先祭祀 / ダルマニバンダ / 祖先崇拝 / 無縁供養 / 北インド / プラーナ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、聖地の発展という視点から、中世・近世のヒンドゥー教のあり方を考察するものである。中世インドにおいて、聖地のすばらしさを説明する「マーハートミヤ」と呼ばれる縁起譚が各地で多く作成された。なぜこの時期にヒンドゥーの聖地が大きく発展したのか、社会背景とあわせて全体像を明らかにしたい。さらに、祖先祭祀に関連する聖地の代表であるプラヤーガ、カーシー、ガヤーという3つの聖地については、中世から近世までの発展過程をより詳しく検討する。中世・近世史に重点を置く文献研究が中心であるが、現地調査で得られる情報も駆使し、文献研究とフィールドワークを組み合わせた聖地研究の方法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度はまず、第7回SAAG勉強会で、現代のヒンドゥーナショナリズムが基盤とする一元的なヒンドゥー教理解への問題意識を持ちつつ近世南インドのシヴァ教思想および社会への影響について分析したElaine M. FisherのHindu Pluralism(University of California Press, 2017)を紹介した。それをきっかけとして、中世・近世のヒンドゥー教聖地の発展をシヴァ教およびヴィシュヌ教の視点から捉えること、他方で、そうした宗派主義的信仰の中で発展した聖地が、それぞれの立場を超えた「ヒンドゥー」の聖地として扱われていく過程を追うことが重要であろうという指針を立てることができた。前者に関しては、北インドビハール州の聖地「ガヤー」の発展の中でシヴァ教からヴィシュヌ教へという転換があったことについて英語で論文をまとめた。後者については、16世紀半ばに北インドで書かれた『トリスタリーセートゥ』の読解を進めた。口頭発表2回と論文1本では、その難解な内容をまとめながら、祖先祭祀という宗派主義的でないインドの古来からの儀礼を聖地と関連させて論じることの背景には、「ヒンドゥー」全体のものとして聖地を捉え直す意図があったのではないかという仮説を提示した。祖先祭祀の理解にはインドの宗教の最古層からの分析が必要であり、祖先祭祀の形態の基本とみなされる「団子祖霊祭」の最初期の形を伝える文献の記述を整理してシンポジウムで発表した。また別の学術大会では、おそらく一地域のみで行われていた「母の供養」の仕方が、サンスクリット語文献に取り入れられて正統なものとなり、複数の別の地域で行われるものとなった過程について発表し、サンスクリット的伝統とヴァナキュラーな伝統の関係について考察した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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