研究課題/領域番号 |
20J00526
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
箕輪 昌紘 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カービング氷河 |
研究開始時の研究の概要 |
海や湖流れ込む氷河(カービング氷河)は世界各地で急速に後退している.これまでに現地観測を実施しカービング氷河の基盤地形や,カービング津波の測定による個々のカービング現象,長期間にわたるタイムラプスによる氷河変動の記録,氷河湖の水温・流速の測定などデータを取得してきた.本研究ではこれらのデータを駆使して詳細にわたる氷河後退メカニズムを解析する.さらに氷河流動モデルを用いて明らかになった後退メカニズムについて数値モデル化を行い氷河変動の将来予測の向上に貢献する.また,後退メカニズム解明の為の,一部現地データが不足している為,南米の氷河での現地観測を実施する.
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研究実績の概要 |
南米パタゴニアのペリートモレノ氷河、ウプサラ氷河においてアラスカ大学と共同で運用していたインターバルカメラをそれぞれ回収した。2018年の設置以来、2年間の氷河変動を記録することに成功している。その後合計4台のカメラを、近年急速に後退しているヴィエドマ氷河周辺の基盤上に設置しデータ取得を開始した。ペリートモレノ氷河において長期間連続で精密な氷河流動を測定する為に、二周波受信GPSを氷河上に設置し、毎秒の氷河流動を測定し始めた。これらのデータは現地協力者によって随時保守点検やデータ回収が行われている。 ペリートモレノ氷河で実施している気象観測や氷河表面質量収支の観測データについてデータ解析を推進した。気象の経年変動や表面質量収支モデルによる表面質量収支の計算を実施した。近年にかけて表面融解量が増加する様子が明らかとなった。また、この氷河で計算された質量収支は、南半球の気候を主に制御するエルニーニョ・南方振動や南半球環状モードといった地球規模の気象現象との関係が示唆される結果が得られつつある。 氷河の末端消耗プロセスを理解するために、氷河流動モデルの構築を行なった。当初はアラスカ大学を訪れ数値モデルの習得を目指していたが、疫病蔓延のため申請者自身で構築を進めた。有限要素法を用いて氷河流線に沿った二次元の力平行方程式を解き、氷河流動と圧力を計算した。計算される氷の歪みより、末端消耗プロセスに関連する主応力やせん断応力が計算できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疫病の世界的な蔓延により、国内外での活動が制限されたものの、受入教員や関係する研究者とやり取りを進め、すでに取得しているデータの解析や数値モデルの構築を予定通り実施することができた。進捗の状況は先に示すとおりである。
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今後の研究の推進方策 |
データを取得しつつあるインターバルカメラ画像やGPS観測のデータについて氷河の末端変動や流動速度,カービングなどに関して解析し氷河変動メカニズムを解明する予定である。 ペリートモレノ氷河で実施している気象観測や氷河表面質量収支の解析結果について、引き続き議論を進め論文の執筆と投稿を行う。 氷河流動モデルについて、構築したモデルを精巧にすることに加え,氷河末端や氷河底面での境界条件を変えることで,末端消耗プロセスがどのように変化するのか数値実験を行う予定である。
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