研究課題/領域番号 |
20J00572
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 優志 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNA / インターカレーター / クロマチン / ヌクレオソーム / 一分子蛍光顕微鏡 / ドキソルビシン / ダウノマイシン / TopBP1 / 液ー液相分離 / 1,6-ヘキサンジオール / 転写 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では、一分子蛍光イメージングを用いて、細胞内のTreslinとTopBP1の運動を明らかにする。ヒトゲノムのTreslinまたはTopBP1遺伝子にHaloTagを付加した細胞を作製し、両タンパク質の運動を観察する。運動の軌跡を解析し、運動の速さを求める。 核内の異なる場所や、細胞周期毎にTreslin, TopBP1の運動を観察し、場所や時間に応じて両タンパク質の個数や運動がどのように変化するか解析する。複製起点領域とTreslin, TopBP1の同時観察を行い、両タンパク質が複製起点に辿り着くまでの動きや、複製起点上に滞在する時間、及び複製起点上に存在する分子の個数を調べる。
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研究実績の概要 |
当該年度は、DNA二重鎖の塩基対間に挿入する分子である、インターカレーターで細胞を処理したときの、クロマチンの動きの変化を調べた。初めに、Haloタグで標識したヒストンH2Bを発現する細胞を作製した。作製した細胞を蛍光色素TMRが結合したHaloTagリガンドで処理することで、ヌクレオソームを蛍光で標識した。斜光照明顕微鏡を用いてレーザー光を細胞に照射し、蛍光標識ヌクレオソームから放出された蛍光をCMOSカメラで検出した。トラッキングアルゴリズムを用いてヌクレオソームの運動を自動追跡し、運動の速さの指標となる平均二乗変位を定量的に求めた。 細胞をインターカレーターの一種であるドキソルビシンで処理すると、クロマチンの動きが抑制された。また、クロマチンの動きはドキソルビシンの濃度依存的に抑制された。異なるインターカレーターである、ダウノマイシンとアクチノマイシンDで細胞を処理した場合も同様に、クロマチンの運動が減少した。したがって、クロマチンの運動の抑制は一般的なインターカレーターに共通の性質であると考えられる。 続いて、インターカレーターによるクロマチン運動の抑制が可逆的な反応かどうか検証した。ドキソルビシンで処理した細胞を液体培地で洗浄することで、ドキソルビシンを除いた。ドキソルビシン除去後、時間依存的にクロマチンの運動が増加し、7時間で処理前の状態に戻った。したがって、ドキソルビシンによるクロマチンの運動の抑制は、可逆的な反応であると考えられる。 また、生細胞内のTopBP1タンパク質の運動を追跡し、各軌跡の拡散係数を定量的に求めた。その結果、拡散係数の値の分布が2成分から成ることが分かった。速い拡散の成分は細胞核内を拡散するTopBP1分子に対応し、遅い拡散の成分はクロマチンに結合したTopBP1に対応すると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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