研究課題/領域番号 |
20J00606
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小林 勇輝 (2020-2021) 立命館大学, OIC総合研究機構, 特別研究員(PD)
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特別研究員 |
小林 勇輝 (2022) 立命館大学, OIC総合研究機構, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 明度 / 計算論モデル / マルコフ確率場 / 知覚的群化 / 明度知覚 / 錯視 / 心理物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれが白や黒といった,色の明度を正しく知覚できるメカニズムはいまだ明らかでない。これまでの研究から,明度の知覚には上下非対称性があり,画像を逆さにすることで明度が変わって知覚される場合があることが分かった。本研究は,この現象と「光は通常上から差し込む」という人間の無意識的仮定との関連性を中心として,明度知覚の過程が高次の複雑な処理過程と関連している可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
明度の知覚と,高次処理の関連性を明らかにすることが本研究の目的である。申請者は,画像の倒立によって明度知覚の変化が生じることを見出し,この錯視を生起させる要因として高次の処理が働いている可能性を検討してきた。さらに,知覚的群化という高次の処理が明度知覚に効果を及ぼすという知見に基づき,この効果の表れである「反転対比」の錯視について研究を行ってきた。 今年度は,昨年度にプロトタイプを完成させていた明度知覚の計算論モデルについてさらなる議論の精緻化を行い,当該成果を論文として出版した。本モデルは,マルコフ確率場と呼ばれる確率モデルを明度知覚の予測に応用した先行研究をもとに,その発展を目指したものである。先行研究ならびに本研究におけるモデルは,明度知覚の処理過程を質的に理解しやすく,かつ量的に厳密な形で記述する手法として極めて有効であると考えられる。特に本研究においては,先行研究では予測できていなかった反転対比現象を一部正確に予測することに成功しており,このことについて論文投稿時に査読者からも非常に高い評価を得た。群化という処理の高次性によりその生起過程が曖昧なまま記述されてきた反転対比を量的な形で厳密に説明することに成功した本研究は明度知覚分野において意義深い成果であると言える。今年度は,本研究費を用いてこの成果について対外的な発表と議論を進めることができ,この成果を広く公開することに成功した。 さらに,反転対比の現象を説明するためにこれまでの研究がどのような理論を構築してきたかについて改めて情報を集約し,レビューとしてまとめるための議論を開始した。これまでに構築されてきた理論の比較と長所・短所の顕在化は今後の研究指針を示すために不可欠であると考えられ,高次な処理と明度の知覚の関連・非関連性について錯視を中心としたより活発な議論が生じるための重要な基盤となる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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